私は二時間サスペンスが大好きでケーブルテレビでやっている昔の番組の再放送をよく見ます。先日ケーブルテレビのテレ朝チャンネルで見た、森村誠一原作の終着駅シリーズ「破婚の条件」でとても印象に残るシーンがあって、それについて調べものをしました。
作品の中心人物として倦怠期の夫婦が登場するのですが、旦那さんが何者かに殺され、保険金の受け取り人になっていたことから奥さんが疑われてしまいます。奥さんはこともあろうに保険金を支払う側の保険外交員とできてしまい、疑いが益々濃くなっていくのですが、この時にでんでんさん演じる刑事が「主(ぬし)と寝やろか百万石取ろか、なんの百万石要らぬ主と寝よ、そうきたか」とつぶやきます。これの元ネタが何なのかずっと気になっていました。
どうやら江戸時代に実際にあった心中事件が元ネタのようでした。藤枝教行(ふじえだのりなり)という五千石の旗本のお侍さんが遊女と身分違いの恋をして心中した事件が人々の話題となり、やがて「君とぬやろか(寝ようか)五千石とるかなんの五千石君と寝よう」という端唄が広まったそうです。上のセリフはこの端唄をもじったものだったのですね。
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E6%9E%9D%E6%95%99%E8%A1%8C
青空文庫、岡本綺堂「箕輪心中」
https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/477_33088.html
調べてみたらちょっとしたシーンにも色々情報が詰まっていて面白いですね。