2018年8月10日金曜日

憧れの江戸川乱歩邸(東京都豊島区西池袋)

池袋の立教大学の敷地には推理小説家の江戸川乱歩が三十年間住んだ邸宅が保存されていて、水曜日と金曜日の10時30分から16時まで、一般に無料で公開しています。私にとって江戸川乱歩と言えば、何といっても小学校の図書室に揃っていたポプラ社の少年探偵団シリーズ!今となっては内容はほとんど覚えていないのですが、あのおどろおどろしい表紙に無性に引き付けられました。大人になってからは創元推理文庫の「魔術師」に衝撃を受けてしまい、それから文庫本を順番に買い揃えてしまいました。全部並べると背表紙が1枚の絵になるのが楽しみでした。ということで、平日に代休が取れたときに憧れの乱歩邸を見学してきました。(実際に行ったのはちょっと前です。)

池袋駅西口から少し歩いて立教大学キャンパスに入ると、フクロウがお出迎え。

フクロウの目印から徒歩数分で見えてきた、この洋風の建物が乱歩邸です。


玄関から入ると早速資料が展示。黄金仮面もあります。ちょっと挿絵よりふくよかな気がするのですが。
応接間です。いかにもここで名探偵による謎解きが行われそうですね。


これが乱歩が実際に執筆で使用していたという机です。

左側の建物が二階建ての「あの有名な」土蔵です。中には収集癖のある乱歩が集めたという様々な資料が所狭しと納められています。

「現世(うつしよ)は夢、夜の夢こそまこと」という江戸川乱歩が好んで色紙に書いたという言葉が飾られています。そういえば最近どんな夢を見たのか思い出せないです。

若いころは引っ越し魔だったんですね。


後日、家を掃除していたら江戸川乱歩の文庫本がまとめて出てきました。創元推理文庫の乱歩傑作選や、春陽堂と角川ホラー文庫などの短編集に混じって、変わり種として「大槻ケンヂが語る江戸川乱歩(角川文庫)」がありました。この本は江戸川乱歩をこよなく愛する大槻ケンヂさんの乱歩評で、乱歩作品のグロテスクで淫靡でありながら怪しさとツッコミどころに溢れているさまを端的に表現されていて、私には新鮮でした。ちなみに創元推理文庫の黄金仮面は同じ本が二冊出てきて、自分の記憶力の悪さが嫌になりました。


蔵書一覧
創元推理文庫
乱歩傑作選1巻:孤島の鬼
乱歩傑作選2巻:D坂の殺人事件(他短編9作)
乱歩傑作選3巻:蜘蛛男
乱歩傑作選4巻:魔術師
乱歩傑作選5巻:黒蜥蜴
乱歩傑作選6巻:吸血鬼
乱歩傑作選7巻:黄金仮面
乱歩傑作選8巻:妖虫
乱歩傑作選9巻:湖畔亭事件(他・一寸法師)
乱歩傑作選11巻:算盤が恋を語る話(他短編9作)
乱歩傑作選12巻:人でなしの恋(他短編9作)
乱歩傑作選13巻:大暗室
乱歩傑作選14巻:盲獣(他・地獄風景)
乱歩傑作選18巻:幽麗塔
乱歩傑作選20巻:悪魔の紋章

春陽堂・江戸川乱歩文庫
心理試験(他6編)
緑衣の鬼
人間椅子(他9編)

角川ホラー文庫
屋根裏の散歩者(他・人間豹、押絵と旅する男、恐ろしき錯誤)

角川文庫
大槻ケンヂが語る江戸川乱歩(他・鏡地獄、押絵と旅する男、踊る一寸法師、人でなしの恋)