今でもストーリーはほとんど覚えており、どのシーンも印象深いのですが、最も好きなシーンはコミックス21巻にある、インターハイ出場を決めたシーンです。インターハイの神奈川県の枠は2校で、20巻前後では既に王者・海南大付属高校が出場を決めており、残りの1枠を巡って宿敵・陵南高校との死闘が繰り広げられています。拮抗した試合の中、最後の最後で副キャプテンの木暮くんが試合の勝敗を決定づける3ポイントシュートを決めるのですが、そのシーンは今でも思い出して感動するほど気に入っています。(詳しくは、「木暮フリーだ打て」で検索してください。)
木暮くんは、トップアスリートがひしめく物語の中では地味で身体能力も凡庸で、下級生にもレギュラーを奪われてしまうのですが、真面目でひたむきで努力を怠らず、後輩たちを優しくサポートしてくれる人格者です。しかも不良学生の乱入で部が崩壊しそうになる時には、堂々と意見を主張できる熱い男です。そんな彼がスタメンのケガで交代メンバーとして途中出場し、色々あって決定的なシュートを決める、この粋な演出が不幸にして同じ凡人であるオジサンの心を今でも捉えて離しません。真面目でひたむきで…という所は同じではないのですが。
これまで仕事で辛いときは、これまではネットの画像検索でこのシーンの画像を見つけて自分を慰めていたのですが、ついつい20巻と21巻を買ってしまいました。今では時々、長風呂しながらデトックス代わりに読んでおります。