2025年5月27日火曜日

大の里関が横綱に!

大相撲五月場所が終わり、大の里関が見事に2場所連続、通算4回目の優勝を果たしました。これで大関での2場所連続優勝ですので、文句なしに横綱へ昇進です。入門から所要13場所での横綱昇進は昭和以降の最速で、一度も負け越し無しでの昇進も史上初だそうです。以前、夏休みに遠巻きに二所ノ関部屋を眺めに行ったのですが、その時も稽古されていたのかと思うと感慨深いです。(その時の写真はこちらです。)

大の里関の師匠である二所ノ関親方は、茨城の誉、元横綱の稀勢の里関です。稀勢の里関は萩原の四股名で出ていた若手の頃から注目され、ついに横綱になり通算で2回優勝しました。弟子である大の里関はそれを既に上回る4回目の優勝を果たし、何と師弟で横綱が実現しました。相撲観戦歴40年の元・茨城県民として、感慨もひとしおです(涙)。

今回の優勝パレードの旗手は元大関の高安関が務めました。高安関は稀勢の里関の弟弟子で、同じ茨城の出身です。その実力は元横綱の白鵬関も照ノ富士関もテレビの解説で高く評価するほどで、実際に優勝次点の成績は何度も達成しておりますが、未だ優勝に手が届いておりません。先場所も大の里関との優勝決定戦で負けてしまいました。元・茨城県民として、いつか優勝する日を心待ちにしております!

私の推しの玉鷲関は、今場所は番付が上がり、横綱をはじめとする上位総当たりの場所となり、残念ながら負け越してしまいました。しかし来場所の予想番付は周囲との兼ね合いで1枚下で留まるようです。玉鷲関と言えば、鉄人の異名を誇り、初土俵からの連続出場記録を更新中です。しかし、通算出場記録などの他の記録を調べてみると下記のように更に上がいて驚きました。玉鷲関のように初土俵から40歳まで1日も休まず続けてきて、未だ先にこれだけ達成者がいるのだと思うと、全くの他人事ながら気の遠くなる思います。しかし玉鷲関には是非全ての記録を更新するくらい頑張って欲しいです。陰ながら応援しております。

大阪に越してきてから久しく国技館に行けていないのですが、やっぱり相撲は面白いです。次の名古屋場所も今から楽しみです。


通算出場記録:1位 大潮関(1891回)、6位 玉鷲関(1703回)

差分は188回。一年で90回(15番×6場所)なので2年と少し。

幕内出場記録:1位 旭天鵬関(1470回)、4位 玉鷲関(1407回)

差分は63回。あと4場所と少し。

幕内連続出場記録:1位 高見山関(1231回)、5位 玉鷲関(1062回)

差分は169回。あと2年弱。

2025年5月25日日曜日

京都大学に出張しました

先週は京都大学に出張しました。久しぶりに訪れる、懐かしの母校です。京都に限りませんが、兎に角観光客が多いので、混雑が著しく、移動には苦労しました。久しぶりに見る鴨川です。平家物語では、白河天皇が「賀茂川の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と嘆いたというエピソードが出てきますが、私レベルだとわが心にかなうものがそもそもあるでしょうか。

そんなことはさておき、鴨川を抜けて丸太町通りから東大路通に入ると懐かしさがこみ上げてきます。近衛通りからみる大文字山の景色は昔と変わりませんね。

もう20世紀の話ですが、私は京大にいたときに体育会系オーケストラに所属しておりました。当時は、いつも吉田寮の辺りで楽器の練習をしていたのですが、久しぶりに吉田寮をみたら綺麗になっており、当時の面影がなくて驚きました。あの頃は写真の左側の部分に、オーケストラと舞踏研究会のサークル用の建物(通称、ボックス)があり、その奥に吉田寮の食堂がありました。しかし私が大学2年の時に火事でそれらの建物が焼失してしまいました。その後、オーケストラのサークルボックスは生協の建物に移動しましたが、私たちは専ら焼け跡で練習していました。京大生は変人が多いのですが、当時の焼け跡には誰かが丸太を大量に運んできて砦が築かれたりしていました。久しぶりに吉田寮の敷地に足を踏み入れると、当時の空気感が蘇ってきました。
今回の出張の目的は、京大の芝蘭会館で開かれる研究発表会に出席することです。芝蘭会館は、東一条の交差点から西に入ってすぐの建物です。2日間、この建物に缶詰めになって沢山の素晴らしい発表を聞くことが出来ました。


西国街道沿いをぶらぶら(箕面市萱野~桜井)

今日は、先日に引き続き西国街道沿いを萱野から桜井まで散歩しました。まずは新御堂筋(国道423号線)の萱野交差点から出発です。


ここから西に少し歩くと、忠臣蔵の登場人物で知られる、萱野三平邸跡があります。萱野三平は当地に生まれた人物で、赤穂藩に仕えますが、周囲への迷惑を考えて赤穂浪士の討ち入りには加わらず、代わりに主君の月命日に切腹した人物です。その生家が大阪府の指定史跡として残っています。この辺りは国道171号線からやや離れており、閑静で趣のある邸宅が並んでいます。萱野邸は無料で見学できます。萱野三平は俳人としても有名だそうで、作品が幾つも飾られています。



昔はこの辺りが目抜き通りだったようで、萱野邸の近くに高札跡もありました。

萱野邸から更に西に進むと、これまで西国街道が国道171号線の南側に位置していたのですが、171号線を縦断して、北側に位置するようになります。さらに進むと牧落の高札場跡が見えてきました。この場所は箕面・大坂道と西国街道の交差点だそうで道しるべが未だ残っていました。石に刻み込まれた方向を指示する手の形がとても趣があります。

さらに阪急箕面線の桜井駅を過ぎて暫く行くと、本日の目的地である「瀬川・半町駅跡地」です。しかし現在では自動車教習所の脇に下記の看板があるだけでした。瀬川はかつて後醍醐天皇の軍勢が六波羅探題軍を打ち破った場所として知られています。西国街道のこの辺りは太平記に出てくる地名が多いです。
今日はコーラでエネルギーを補給しながら半日のんびり散歩ができました。



2025年5月18日日曜日

「BOSCH ボス」(新潮美術文庫7)を読み返す

最近も山田五郎さんのYoutubeチャンネルである「オトナの教養講座」で美術の勉強をしております。(関連する記事は、こちらこちらです)

その中で、私も以前から好きだった、15世紀のオランダの画家、ヒエロニムス・ボス(1450頃~1516)の作品を紹介している動画が2つありました。一つは、「【ヒエロニムス・ボス】奇妙すぎる絵「快楽の園」には何が描かれている?【オランダの水木しげる】」で、もう一つは「【絵で見る昔のトンデモ医療】恐怖!頭から「石」を取り出す手術とは?【インカ帝国とも関係!?ヒエロニムス・ボス「愚者の石の切除」を山田五郎が解説】」です。どちらも山田五郎さんの博識溢れる解説で非常に面白かったです。快楽の園の解釈などは全く知らなかったので新鮮でした。

下記の書籍は、ヒエロニムス・ボスの生涯と主だった作品を紹介した画集です。動画に出てきた、「快楽の園」(下記の画集だと、地上の愉楽の園)や「愚者の石の切除」(下記の画集だと、阿呆の治療)も図説入りで丁寧に解説されています。ボスは生涯に30点しか作品がなく、署名入りは7点しかないそうです。ボスというと、「オランダの水木しげる」と評されているように、魅力的な怪物(悪魔?)が沢山登場します。魚介類だったり鳥類、獣などが擬人化されたような怪物になり、人を飲み込んだり、手紙を運んだり、楽器を奏でたりと画面の中で大忙しです。どういうインスピレーションでこのような怪物が生み出されていったのかは、諸説あるそうです。それにしても地獄の描写がリアルで夢に出そうです。今の様々な映像に馴れた私でさえそう感じるのですから、当時の人達はビックリしたのではないかと想像したりします。

一方、「愚者の石の切除」のように世相を皮肉った作品もあり、登場人物の表情の豊かさに驚きます。私はそういった作品の中では「手品師」という作品が好きです。これは手品に見とれて財布をすられているのに気づかない女性の表情が秀逸だと思います。

今日は、床屋の待ち時間が長かったので、久しぶりに画集を眺めておりました。



551を食べる贅沢、生涯現役!(日々の雑感)

《551を食べる贅沢》

ここ数日、気温が急激に上がり、暑くなってきたので散髪のために千里中央まで行きました。終わった後は、551蓬莱の千里阪急店で豚まんを買いました。2個で460円。おやつです。新大阪駅の新幹線構内では、いつも551の前に長蛇の列が出来ており、定番の大阪土産の感があります。千里阪急店もいつも行列が出来ているのですが、5分くらいで買えるので私は専らここを利用しています。モチモチの生地とジューシーな餡が美味しいです。

《生涯現役!》

昨日のTHE SECOND~漫才トーナメント~2025にザ・ぼんちが出ていて、感動したと同時に改めて凄い時代になったと戦慄を覚えました。ザ・ぼんちと言えば、1980年代前半に売れまくった漫才コンビで、その後にコンビを解散してからも、ぼんちおさむさんは俳優に、相方の里見まさとさんは別の方とコンビを組んで漫才に、とそれぞれ大活躍されていた方々です。私は、俳優の藤田まことさんが主役をされていたテレビドラマ「はぐれ刑事純情派」が好きだったのですが、その中でぼんちおさむさんが演じていた里見刑事の醸し出す良い味が強く印象に残っています。そんな既に功成り名を遂げたお二人がコンビを再結成して、令和になってガチンコ勝負の漫才賞レースに挑む、というのが本当にすごいと思います。自分だったら過去の思い出に浸りながら、のんびり余生を過ごしたくなりそうです。

また、今やっている大相撲五月場所でもベテラン力士が頑張っています。昭和の時代は三役(大関、関脇、小結)の地位から陥落すると多くの力士が辞めた(辞めさせられた?)ものですが、最近は下の番付に落ちてからも完全燃焼するまで力士を続ける方が多いように感じます。お陰で幕内はおろか、十両や幕下上位まで三役経験者でひしめき合っているように思います。

この2例に限らず、多くの分野で生涯現役を貫く人が多いように感じます。私はそういうのを見るたびに感心すると同時に、今は最後まで頑張らないといけない時代なのか~と愕然ともします。喩えていうと、既に疲れているのに、目の前には登らなければならない崖がそそりたっている感じです。私は幸か不幸か一山も当てていないので、少なくとも生活費のために頑張らないといけません。





2025年5月16日金曜日

大金鶏菊が年々攻めてくる、フィードバック付き天気予報(日々の雑感)

《大金鶏菊が攻めてくる》 徐々に暑くなってきました。最近は、家の近所のそこかしこに大金鶏菊(オオキンケイギク)が咲き誇っています。大阪に住んで5年が経ちましたが、目の届く範囲でも年々生息域が拡がっていると感じています。大金鶏菊は2005年に特定外来生物に指定された米国原産の植物で、立派な根を持ち、1株で沢山の花を咲かせます。不幸にも多年草なので、根が残っていれば次の年も育ってしまうそうです。この植物の悪評を聞くようになったのは最近という印象があったのですが、日本に入ってきたの自体は1880年頃のようです。私が小さい頃だと、外来植物というとセイタカアワダチソウの脅威が凄くて、当時はどこの区画にも生えていた記憶があります。今も見かけますが、当時ほど大騒ぎしていないような気がするのは気のせいでしょうか。

大阪大学周辺(吹田、豊中、茨木)は確かに緑が豊かなのですが、大金鶏菊だけでなくアメリカザリガニやアライグマなどの特定外来生物を良く見かけます。アライグマなどは吹田キャンパス内に棲みついているようで、敷地内で野良猫と喧嘩しているのを見かけました。そういうのを見ると、所詮は作られた自然なのかと複雑な気持ちになります。


《フィードバック付き天気予報が見たい》 いつもお世話になっている天気予報ですが、予報なので当然当たらないこともあると思います。例えば、4月中には5月のゴールデンウイークには尋常ならざる暑さが訪れる、との予報があり、戦々恐々としていたのですが、実際は少し肌寒いくらいでした。別に外れたことは仕方ないのですが、どうして外れたのかが気になりました。素人の予想では、恐らくは特定のパラメータが予測した値と実際の値が異なったため、微分方程式の解が変わったのかなと思っています。しかし、そんな外れた理由を教えてくれる番組などはありません。

科学者の端くれである私からすると、外れた理由をフィードバックして教えてくれる天気予報があっても良いのではないかと思ったりします。今日の予想に入る前に昨日の予想を振り返って、外れていた場合には、その理由を説明する。(例:昨日の予想した時点では○○の値を××と推定して計算したが、実際は△△だったので外れた)。こうすると外れた場合でも聞いていて納得するし、予想する側の精度の向上にもつながる気がします。正確な天気予測法の開発は熾烈な競争があるようで、昨年(一昨年??)のNature誌の10大ブレークスルーにもAIベースの天気予報アプリの開発が選ばれていたと思います。蛋白質構造予測と同じで、完璧な理論を人類が構築する前に、AIの予測精度に負けてしまう気がしないでもないのですが、フィードバックを活かして少しでも人智が発展すればと期待しています。

2025年5月14日水曜日

テレビ東京系列で「量産型」シリーズの新しいドラマが出るようです

テレビ東京系列で「量産型」シリーズの新しいドラマが出るようです。プラモデルが大好きなので、「量産型リコ」は好きで見てました。このドラマは、安定志向で特に趣味もない平凡な女子(量産型女子)である主人公がプラモデル作りを通して、周囲の人達を巻き込んで色々な経験をする、という話です。主人公は元・乃木坂46の与田祐希さんです。これまでに3期制作されてきたのですが、自分は1期に出てきた、「機動戦士アサイ」の回が強く印象に残っております。

この期の舞台はイベント会社で、リコはイベント3部に所属しています。この回の中心人物であるアサイは主人公のリコと同期で上昇志向の強い男性です。彼はイベント1部の若手エースを自認しています。しかし分をわきまえず上層部にたてついてしまい、左遷の憂き目に遭ってしまいます。異動を告げられた夜、独りで酒に酔って荒れ狂うアサイをリコは模型店に連れていき、酔い覚ましにガンプラの組み立てを勧めます。最初は嫌がっていたアサイも徐々にのめり込み、一心不乱に組み立てを進めます。最後に頭部のパーツを作って完成したのですが、ガンダムだと思って組み立てていたプラモデルが実はジムでした。そしてリコから、アサイも私と同じ量産型なんだよ、と言われます。アサイは大きな衝撃を受けながらも、それでもオレはガンダムになりたい…と声を絞り出して泣きます。その後、アサイは立ち直り、新しい部署でも腐ることなく頑張ることを心に誓います。

実は自分が一点物のガンダムではなく量産型のジムであったことにショックを受けながらも、ガンダムを目指さずにはいられないアサイの姿が心に沁みました。今や私は研究業界で言うと、ジムにすら乗れておらず、「動く棺桶」と揶揄されるボールに乗って、戦艦の前でにぎやかしに弾幕張っているだけです。こういう熱いシーンを見ていると、私もせめてザクIIの1機でも沈めることを狙わなければと思いました。ガンダムの世界でも、ボール1機でリックドムを6機撃墜した猛者も出てくるので、私も足掻かないといけません。

そんなことはさておき、新しいドラマも楽しみです。

2025年5月11日日曜日

「頭のいいマラソン超入門」(内山雅博著、青春新書)を読み返して

昨今、マラソンに関する書籍は沢山出版されております。私のような活字人間は、それらを色々読んで自分のトレーニングやレースプランの参考にさせていただいております。しかし、割と多くの本がシリアスランナー向けのしんどい内容で、多忙な社会人には過酷なトレーニングメニューが多いです。

そんな中で、この本は私のような中堅の市民ランナーにはとても参考になりました。本書では、一般的な市民ランナーが無理なく達成可能で、かつ充実感を味わえる4時間台で走るためのトレーニング法やレースプランを紹介しております。特にレース中のセルフマネージメントは参考になりました。「一番の敵はオーバーペース」という部分は、自分の経験からしてもとても頷けました。トレーニングメニューについても、「まずは歩きから」ということで無理なくできそうな内容です。

速くはないが、楽しんで続けている市民ランナーには読みやすい内容だと思いました。




毎月10日はポイント5倍(日々の雑感)

《ポイント5倍》
毎月10日にイオンで買い物をするとWAONポイントが5倍付く日ということを最近知りまして、なるべくその日に買い物をするようにしています。ポイント5倍といっても10ポイント(10円)が50ポイント(50円)になる程度ですが、昨今の物価高で重宝しております。

追記:イオンでWaonを使って買い物をしたときのお得情報に関するポスターをメモしてきました。
 5日、15日、25日はポイント2倍
 10日はポイント5倍
 20日、30日は5%オフ

《昭和は遠くになりにけり》
連休前に大阪から茨城に写真を送りました。郵便局のスマートレターに入れて送ったのですが、2日に発送して、届いたのは8日でした。あまりに時間がかかったので驚きました。連休中は郵便配達がほとんどお休みだったようです。昔のように盆も暮れもなく働くということはないのですね。昭和は遠くになったと令和の世で思いました。そもそも連休中は私自身が茨城に行っていたので、自分で持ち帰れば良かったと後悔しました。

《鬼滅再燃》
連休中にCSで「鬼滅の刃」の一挙放送を見ていました。やっぱり刀を使ったバトル漫画は良いですね。見終わった後は、かつての鬼滅熱が再燃してしまって、漫画を繰り返し読み返しております。先日などは漫画を読み過ぎて仕事に遅刻してしまいました。ダメなサラリーマンです。



2025年5月6日火曜日

「菜の花の沖(一)」(司馬遼太郎著、文春文庫)を読んで

連休中に司馬遼太郎著「菜の花の沖」の第一巻を読みました。この本は、随分前に購入していたのですが、長いこと本棚に入れっぱなしでした。舞台が淡路島と大阪から近く、今が菜の花の季節ということで思い立ち読了しました。

この小説の時代背景は江戸後期で、主人公は高田屋嘉兵衛という商人です。嘉兵衛は、のちに蝦夷・千島の海で活躍する商人で、当時南下政策を進めていたロシアとも単身渡り合ったほどの人物です。

第1巻は、高田屋嘉兵衛が淡路島の都志村の貧しい家に生まれ、悲惨な幼少期を過ごし、やがて兵庫に出て樽廻船の船乗りになるまでが描かれています。本の半分くらいがムラ社会でいじめられる話で正直読んでいてつらかったです。

当時の若者は、各集落に若衆宿(宿)が組織されており、一定年齢の間、共同生活を送っていました。嘉兵衛のいた都志村には新在家と本村の二つの集落があり、互いに数百メートルしか離れていないのですが、別々の宿があり、互いに敵対する関係でした。嘉兵衛は新在家に働きに出ており、新在家の宿に入るべきだったのですが、生家のある本村の宿を選んだために爪弾きにあいます。さらにそこに網元の娘との色恋沙汰も絡み、いじめはどんどんとエスカレートして、ついには殺されそうになります。嘉兵衛は命からがら村を抜けるのですが、ムラ社会の残酷さというか、今につながる同調圧力の恐ろしさが生々しく描かれていて暗い気持ちになりました。

ただ、後半の船乗りの下りは少しずつ明るいトーンになり、幾分ホッとしました。休みは終わってしまいましたが、二巻を買ってきたので少しずつ読み進めようと思います。    



2025年5月4日日曜日

「カグラバチ」(外薗健著、ジャンプコミックス)第7巻が面白かった

5月2日に発売された「カグラバチ」7巻(外薗健著、ジャンプコミックス)を早速買って読みました。今回もとても面白かったです。 

これまではシンプルなバトルものという印象でしたが、今回は過去の因縁が出てきて対立軸が増え、展開がより深くなった気がします。大好きなバトルシーンは少なめでしたが、繰り返し繰り返し読んでしまいました。

次の8巻は7月発売だそうです。今から待ち遠しいです。




「大槻ケンヂが語る江戸川乱歩 私のこだわり人物伝」&「悪魔の紋章」

お休みなので気楽なものを読もうと思い、「大槻ケンヂが語る江戸川乱歩」と「悪魔の紋章」を読み返しました。江戸川乱歩は昔から好きな作家で、立教大学が管理している、池袋の住居跡まで訪れるほどです(その模様はこちらをご覧ください)。

好きな乱歩の作品のパターンは2つあって、作家のむき出しの感性・欲情が出たような「猟奇的であぶない」短編~中編と、パターン化されている「笑って楽しめる」長編です。そんな楽しみ方を明快に教えてくれたのが「大槻ケンヂが語る江戸川乱歩」(江戸川乱歩、大槻ケンヂ著、角川文庫)です。大槻ケンヂさんは言わずと知れたロックミュージシャンですが、乱歩作品に造詣が深く、文中にも乱歩愛があふれています。その中で、乱歩作品の荒唐無稽さをもっとツッコミを入れて楽しんでよいと指摘しています。これを読んで、今までモヤモヤしていたものがスッキリしました。

同じような指摘は「悪魔の紋章」(江戸川乱歩著、創元推理文庫)のあとがきで廣澤吉泰さんも指摘されていました。「悪魔の紋章」もこれまでの長編に見られる展開がふんだんに盛り込まれていて、ある種、安心して読める作品です。復讐のために仇敵の前で先祖の悪行を演劇で見せるシーンがあるなど、ツッコミどころ満載です。個人的には「魔術師」の毒味を薄くしたような作品だと思いました。


2025年5月3日土曜日

連休の初日はグッタリしている(日々の雑感)

今週は月曜日から4月の疲れがドッと出て体調を崩しており、連休初日の今日は一日グッタリ、のんびりとしておりました。

午前中は、職場に少しだけ出向いてLBプレートの回収をしました。遺伝子の組み換えは大腸菌と人間が1日2交代制で働くので仕方ない作業です。

《中途半端に実験を説明》 分子生物学系のラボではお馴染みですが、遺伝子の組み換え体は大腸菌を使って作成します。研究の目的となる遺伝子をコードしたDNA断片は、そのままでは細胞などの実験には使えないので、DNAが環状に繋がったベクターという入れ物に挿入する必要があります。そのために、まず目的遺伝子をPCRで増幅し、制限酵素というDNAを切断する酵素によって直鎖状に開いたベクターと混合したのちに、ライゲース(Ligase)という別の酵素を用いて目的遺伝子とベクターを繋げます。これで目的遺伝子が挿入されたベクターが出来るのですが、如何せん量が少なく、使いづらい状態です。そこで、目的遺伝子とつながったベクターを大腸菌に導入して増幅します。大腸菌に目的遺伝子を導入して、抗生物質を添加した寒天培地に塗布し、37度で1昼夜(大抵夕方から翌朝まで)静置すると遺伝子が導入された大腸菌だけがコロニーを形成します。1つのコロニーには大抵1種類の遺伝子しか入らないので、それぞれのコロニーを液体培地で増やしてやれば均一な遺伝子を回収することができます。遺伝子組換え実験で、大腸菌が増えるのを待っている時間は結構長く、このステップを効率よくスケジュールに入れるのが肝になります。私たちの場合は、例えば金曜日の夕方に大腸菌のプレートを作成して、土曜日の朝に回収。日曜の夕方にプレートからコロニーを突いて液体培地に植菌する、というスケジュールでやっています。こうすると少ない労力で土日も遺伝子作成実験が進められます。これらの作業を平日にやると、日中が暇になるのでもったいないです。他にもやること、やりたいこと、やらなければならないことは沢山あるんです。

LBプレートを回収した後は散歩をしながら家に戻り、昼寝。起きたら、最近NHK-BSでやっている「ウルトラQ」の4Kリマスター放送の録画を鑑賞。これまで何度も見ている筈なのですが、やっぱり良いです!昔の特撮が大好きです。

その後は掃除して洗濯して買い物をして…といつもの週末でした。今日は、何となく興がのって色々買いすぎてしまい、大いなる出費となりました。最近は物価が高くて困りますね。