2024年11月3日日曜日

第56回全日本大学駅伝を観戦して

今年も楽しみにしていた、全日本大学駅伝をテレビ観戦しました。この駅伝は、愛知県の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までの全長106.8kmを8区間に分けて、昨年のシード校8校+全国の地区予選を勝ち上がった17校+2チームの学連選抜(日本学連選抜、東海学連選抜)の合計27チームが競うレースです。男子の学生駅伝としては、先月の出雲駅伝、正月の箱根駅伝と並ぶ学生3大駅伝の一つに数えられています。

今年の男子大学駅伝では、駒澤大学、青山学院大学、國學院大學が3強と呼ばれています。先月の出雲駅伝は國學院大學が優勝し、勢いに乗っています。しかし全日本大学駅伝は、駒澤大学が昨年まで4連覇を達成するなど、最も得意としています。また今年は3冠達成を目指していた青山学院大学も出雲駅伝からの巻き返しが期待されました。

レース序盤は、青山学院大学が2区と4区で区間賞を獲得するなど優位に立ってレースを進めました。しかし中盤の5区と6区で國學院大學が連続で区間賞を獲得して、青山学院大学を猛追し、最終8区で一騎打ちに持ち込み、最後は逆転で優勝しました。驚いたのは駒澤大学で、序盤の2区では残念ながら16位まで順位を落としましたが、3区以降から徐々に追い上げ、終盤の7区と8区で連続区間賞を獲得し、最後は青山学院大学もかわして2位でゴールしました。青山学院大学は先行逃げ切りのオーダーが途中まで嵌りましたが、他校を諦めさせるくらい離すことができず、徐々に貯金を吐き出す苦しい展開になってしまい3位でした。

大会のMVPは、脇腹の差し込みで痛そうにしながらも、6区の区間新記録を樹立し、青山学院大学の追い上げに貢献した、國學院大學の山本歩夢選手でした。個人的には、2区の鶴川選手が出雲に続く区間賞獲得や、4区の黒田選手の区間新記録樹立、7区の太田選手と平林選手の一騎打ちと篠原選手の意地の区間賞獲得、最後の8区の山川選手の2分差をひっくり返した脅威の追い上げなど、見所満載のレースでした。

これで國學院大學は3冠達成に向けて箱根駅伝を残すのみとなりました。悲願の3冠達成なるでしょうか。しかし箱根駅伝は青山学院大学が圧倒的に得意とする駅伝です。駒澤大学もチームの大黒柱ながら怪我で出雲駅伝と全日本大学駅伝を欠場していた佐藤選手が復帰予定です。他にも創価大学、城西大学、早稲田大学は出雲、全日本の両方でシード権を獲得するなど、安定した実力があります。(面白いことに出雲駅伝と全日本駅伝では1~6位まで同じ順番でした。)今年の駅伝シーズンも、最後までワクワクが止まりません。


結果のメモ

1位:國學院大學 5時間09分56秒

2位:駒澤大学 5時間10分24秒

3位:青山学院大学 5時間10分41秒

4位:創価大学 5時間13分17秒

5位:早稲田大学 5時間14分24秒

6位:城西大学 5時間14分47秒

7位:立教大学 5時間16分21秒

8位:帝京大学 5時間16分24秒


区間賞

1区(9.5km):平島龍斗選手、日本体育大学

2区(11.1km):鶴川正也選手、青山学院大学

3区(11.9km):ヴィクターキムタイ選手、城西大学

4区(11.8km):黒田朝日選手、青山学院大学

5区(12.4km):野中恒亨選手、國學院大學

6区(12.8km):山川歩夢選手、國學院大學

7区(17.6km):篠原倖太朗選手、駒澤大学

8区(19.7km):山川拓馬選手、駒澤大学