何故かその思い出がふと甦りまして、データを調べて自作してみようかと思い立ちました。幸いにも私、構造生物学なる研究をやっておりまして、タンパク質やDNAなどの原子構造を毎日眺めて暮らしていまして、三次元構造を可視化するソフトウェアを日常的に使用しております。今回はそれらを使って地下鉄路線の三次元構造を眺めてみようと試みました。
まずホームの深さですが、都営地下鉄のホームページに「都営交通のあらまし2018」という小冊子のPDFファイルが掲載されていて、そこに詳細な情報がありました。そこで駅の位置の緯度と経度をヤフーの地図から求め、標高は国土地理院の電子国土Webから求めました。
試しに都営三田線から三駅選んでやってみます。
緯度 経度 標高(m) ホームの位置(m)
目黒 35.6341, 139.7159, 21.0, -18.7
春日 35.7095,139.7533, 5.8, -13.4
西高島平 35.7919, 139.6459, 5.2, +7.7
このデータを生命科学系の研究者でお馴染みのProtein Data Bank (PDB)の三次元座標データ風に変換すると以下のような感じになりました。
ATOM 2050 O HOH C 1 63.410 71.591 2.100 1.00 61.08 N
ATOM 2050 O HOH C 2 63.410 71.591 0.000 1.00 61.08 C
ATOM 2050 O HOH C 3 63.410 71.591 0.230 1.00 61.08 O
ATOM 2050 O HOH C 4 70.950 75.330 0.580 1.00 61.08 N
ATOM 2050 O HOH C 5 70.950 75.330 0.000 1.00 61.08 C
ATOM 2050 O HOH C 6 70.950 75.330 -0.760 1.00 61.08 O
ATOM 2051 O HOH C 7 79.192 64.587 0.520 1.00 61.08 N
ATOM 2051 O HOH C 8 79.192 64.587 0.000 1.00 61.08 C
ATOM 2051 O HOH C 9 79.192 64.587 1.290 1.00 61.08 O
1行目から3行目が目黒駅のデータ、4-6行目が春日駅、7-9行目が西高島平駅です。緯度と経度を(x, y)座標に入れて、高さ方向を標高、海抜0メートル、ホームの位置の3つの異なるデータに分けました。門外漢の人にはなんのこっちゃ、という感じですが、とりあえず上のデータを入力して、可視化すると以下のようになりました。
目黒駅は意外と標高が高いとか、西高島平のホームが上に来ているのがわかるので、何となくうまくいっている気がしましたが、細かい話ですが座標の手系が逆転していました。
そこでもう少し駅を追加して、z方向を逆にしてみました。
緯度 経度 標高(m) ホームの位置(m)
目黒 35.6341, 139.7159, 21.0, -18.7
白金台 35.6379,139.7260, 30.2, -27.2
白金高輪 35.64286,139.73408, 10.4, -28.7
三田 35.64826,139.74883, 3.9, -17.6 (3番線), -23.8 (4番線)
芝公園 35.65442,139.74988, 4.3, -20.6
春日 35.7095,139.7533, 5.8, -13.4
西高島平 35.7919, 139.6459, 5.2, +7.7
大分輪郭が見えてきました。青い点が地上の標高で、緑の点が海抜0メートル、赤い点がホームの位置です。地上では白金台が盛り上がっており、そこから三田に向かって坂になっています。それに伴い、白金台から白金高輪にかけて深く掘っていることがわかります。
こんな感じでコツコツ作ってみます。気が向いたら更新します。