ラベル お仕事 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル お仕事 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年7月11日土曜日

ひょんなことから大学で熱力学を教える

色々ありまして某私立大学の薬学部の学生に熱力学を教えております。期間は半期で全部で14回です。準備期間が短く大変です。授業を用意するための備忘録を書いておこうと思います。

授業の目標は、「薬剤師国家試験で出題される、物理・化学・生物の該当問題が無理なく解けるようになること」にしました。

第1回 気体の状態方程式
1-1: 理想気体の諸法則
  まずは高校の化学の復習からスタートする。ボイルの法則、シャルルの法則、ドルトンの分圧の法則、理想気体の状態方程式をおさらいする。温度のはなし(セルシウス温度、ファーレンハイト温度、絶対温度)
薬剤師国家試験:第103回、問4→理想気体の状態方程式

理想気体の物質量n、圧力p、気体定数R、熱力学温度T、体積Vについて成立する関係はどれか。1つ選べ。

1. n = RTV/p

2. n = pT/RV

3. n = pRT/V

4. n = pV/RT

5. n = RT/pV

解答:4

1-2: ファンデルワールスの状態方程式
  実在気体の状態方程式、ファンデルワールス定数(a, b:各気体に固有)、分子間相互作用の補正項(+an2/v2)と体積の補正項(-nb)を正確に覚えてもらう。
薬剤師国家試験:第111回、問91→ファンデルワールスの状態方程式

第2回 気体の分子運動論
2-1: 気体の分子運動論とエネルギー
  統計熱力学の初歩的な内容。気体の分子運動論から理想気体の状態方程式を導く。

第3回 エネルギーの量子化、ボルツマン分布
3-1: マクスウェルの速度分布
  気体分子の分子運動論の続き。気体分子の速度、運動エネルギーについて。マクスウェルの速度分布の特徴(温度が上がると分布が広がる。最大確率速度よりも平均速度の方が大きい、など)を理解してもらう。
薬剤師国家試験:第100回、問92→マクスウェル分布

3-2: 気体分子の運動エネルギー
  ボルツマン定数の導入。気体1分子あたりの気体定数。気体定数をアボガドロ定数で割る。
  単原子分子の運動→並進運動、x, y, z軸方向の3つの自由度
  二原子分子の運動→並進運動に加えて、回転運動、振動運動が加わってくる

3-3: ボルツマン分布
  エネルギーの量子化。エネルギー準位の間隔。各エネルギー準位にどれだけの数の分子が分布するのか?
薬剤師国家試験:第110回、問93→ボルツマン分布
薬剤師国家試験:第105回、問94→ボルツマン分布

第4回 熱力学第一法則
4-1: 熱力学における系
  系、外界、境界の定義。開放系(開いた系)、閉鎖系(閉じた系)、孤立系。閉じた系は何に閉じているのか?閉じた系として、定圧過程、定容過程、断熱過程の特徴を学ぶ。
薬剤師国家試験:第110回、問2→閉じた系が外界とやりとりできるもの

熱力学における「閉じた系」において、熱、物質および仕事のうち、外界とやりとりできるものだけをすべて挙げたのはどれか。1つ選べ。

              1.熱

              2.物質

              3.仕事

              4.熱、仕事

              5.物質、仕事

              6.熱、物質

解答:4


4-2: 熱力学第一法則
  エネルギーの保存則

第5回 状態関数と経路関数
5-1: 状態関数と経路関数
  経路に依って量が異なるのが経路関数。経路に依らないのが状態関数。経路関数は熱、仕事、活性化エネルギーの3つを覚えてもらう。
薬剤師国家試験:第107回、問93→状態関数と経路関数

5-2: 示量性状態関数と示強性状態関数
  状態関数は加成性の有無で示量性と示強性の2種類に分類できる。示量性状態関数が足せる方、示強性状態関数が足せない方。水を例にして体積や質量は足し算ができるので示量性、温度は足し算ができないので示強性の状態関数。国家試験では頻出ポイントのようなので、分類を覚えてもらう。
薬剤師国家試験:第101回、問3→示強性状態関数
薬剤師国家試験:第109回、問92→状態関数

101回・問3

示強性状態関数の熱力学的パラメータはどれか。1つ選べ。

              1.ギブズ自由エネルギー(G

              2.エンタルピー(H

              3.圧力(P

              4.エントロピー(S

              5.内部エネルギー(U

解答:3 


107回・問93

状態関数と経路関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

              1.熱と仕事は経路関数である。

              2.温度は示量性の状態関数である。

              3.エンタルピーは示強性の状態関数である。

              4.熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。

              5.状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。

解答:1,5 


109回・問92

状態関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

              1.状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する

              2.示量性状態関数において加成性が成立する。

              3.示強性状態関数は物質量に依存する。

              4.体積は示量性状態関数である。

              5.エントロピーは示強性状態関数である。

解答:2,4 


110回・問91

理想気体からなる閉じた系における熱力学第一法則に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

              1.定温過程において、系に加えられた熱量はすべて系がする仕事になる。

2.内部エネルギー変化は、系に加えられた熱量と系が外界からされた仕事の和で表される。

              3.断熱過程において、系の体積が増加すると内部エネルギーも増加する。

4.内部エネルギー変化は経路関数である熱と仕事からなり、それ自体も経路関数である。

              5.系が外界に対してする仕事は、不可逆過程の方が可逆過程より大きい。

解答:1、2

5-3: 閉じた系の熱力学第一法則
  等温過程(温度が一定=内部エネルギー変化がない)
  断熱過程(外部との熱のやり取りがない)
  定圧過程(圧力が一定なだけで、熱や仕事の出入りがある)
  定容過程(体積が一定。したがって仕事の出入りがない=加えた熱量はすべて内部エネルギー変化になる)

薬剤師国家試験:第99回、問92→熱力学第一法則の計算問題
薬剤師国家試験:第110回、問91→閉じた系の熱力学第一法則

第6回 熱容量
  熱容量と比熱
  定圧熱容量と定容熱容量

薬剤師国家試験:第98回、問92→定圧熱容量と分子運動

第7回 エンタルピー
7-1: エンタルピーの導入
  エンタルピーの定義を説明する。エンタルピーと熱の関係を説明する。

7-2: 様々なエンタルピー
  化学反応や相転移における様々なエンタルピー(〇〇エンタルピー)を説明する。
薬剤師国家試験:第109回、問96→熱容量とエンタルピー

第8回 エントロピー、熱力学第二法則
  熱力学的エントロピーと統計学的エントロピー
  シュレーディンガーの「生命とは何か?」とエントロピー

薬剤師国家試験:第103回、問1→乱雑さとエントロピー
薬剤師国家試験:第101回、問91→純物質のエントロピーの温度異存性
薬剤師国家試験:第108回、問92→エントロピーの正誤問題

第9回 熱力学第三法則、ギブズエネルギー
  熱力学第三法則。絶対エントロピー、残余エントロピー
  ギブズエネルギーとヘルムホルツエネルギー

薬剤師国家試験:第97回、問91→熱力学の正誤問題

第10回 化学ポテンシャル
  化学ポテンシャルとは何か?
  化学ポテンシャルと平衡の方向
  ギブズエネルギーと平衡定数

薬剤師国家試験:第105回、問5→化学ポテンシャルの穴埋め問題
薬剤師国家試験:第106回、問2→ギブズエネルギーの選択問題

第11回 ルシャトリエの原理、ファントホッフプロット
11-1: ルシャトリエの原理
  ルシャトリエの原理と平衡の方向を理解してもらう。加えた変動を緩和する方向、つまり打ち消す方向に進む。

薬剤師国家試験:第107回、問2→ルシャトリエの原理の選択問題
薬剤師国家試験:第97回、問92→ルシャトリエの原理の選択問題

11-2: ファントホッフプロット
  ファントホッフプロットの傾きと吸熱反応(傾きが負)、発熱反応(傾きが正)を理解してもらう。また、グラフを実際に描いて、ファントホッフプロットから標準エンタルピー変化と標準エントロピー変化を求めてもらう。ついでにエンタルピー駆動とエントロピー駆動の違いを理解してもらう。

薬剤師国家試験:第110回、問92→ファントホッフプロットの選択問題
薬剤師国家試験:第99回、問2→ファントホッフプロットの選択問題

第12回 共役反応
12-1: 共役反応とは何か?
  共役反応の定義。一方の化学反応における生成物が、一方の化学反応における反応物になっている。生体内で起こるATPの加水分解反応の共役反応を例にしてイメージをつかんでもらう。

12-2: ギブズエネルギーの加成性
  共役反応の合言葉「標準ギブズエネルギー変化は足し算、平衡定数は掛け算」
薬剤師国家試験:第108回、問2→共役反応と平衡定数

第13回 相変化と状態図
13-1: 状態図
  圧力と温度の状態図における、各相(固相、液相、気相)の配置や各曲線(蒸発曲線、融解曲線、昇華曲線)の名称を覚えてもらう。三重点や超臨界状態の説明。曲線を求めるためのクラペイロンの式とクラウジウス・クラペイロンの式の概略を説明する。特に、水と二酸化炭素の融解曲線の傾きの違いは重要なので理解してもらう。固相‐液相平衡状態で圧力を上げるとどうなるか?と聞かれたら答えられるようになってもらう。
  また、化学ポテンシャルと温度の状態図も出ることがあるので見方を理解してもらう。凝固点および沸点でどのようなことが起こっているのか?過冷却の時にどうなるのか?を理解してもらう。
薬剤師国家試験:第108回、問1→水の状態図と相変化
薬剤師国家試験:第98回、問93→クラペイロンの式と相転移
薬剤師国家試験:第102回、問93→化学ポテンシャルの状態図

13-2: ギブズの相律
  状態を規定する独立変数の数、自由度Fを求める式。F=C - P + 2。Fは三重点で0 (=1-3+2)。Fは蒸発曲線、融解曲線、昇華曲線上の点で1 (=1-2+2)。固相、液相、気相の各点で2 (1-1+2)。
薬剤師国家試験:第104回、問3→水の状態図とギブズの相律

13-3: 相平衡 気相‐液相平衡(1)
  図の横軸と縦軸は何か。液相と気相、液相‐気相混合が図の中でどこに位置するのか?タイライン(組成を求める)、てこの規則(量比を求める)

第14回 相平衡
14-1: 相平衡 気相‐液相平衡(2)
  蒸留の原理。共沸混合物(葉っぱ2枚パターン)。2成分系で各成分の沸点より混合物の沸点が高くなる。異分子間相互作用の方が、同種間相互作用よりも強い。
薬剤師国家試験:第96回、問19→気相‐液相平衡(クロロホルムとアセトン)

14-2: 相平衡 液相‐液相平衡(水とフェノール)
  1相と2相(水相(上側)とフェノール相(下側)に分かれる。大事な点は水相にもフェノールが溶けており、フェノール相にも水が溶けていること。その組成を知るにはタイラインを引いて、相線と交わったところで垂線を下ろして横軸の目盛りを読む。また水相とフェノール相の量の比はタイラインからてこの規則を使って求める。

14-3: 相平衡 液相‐固相平衡(共融混合物、ベンゼンとナフタレン)
  ベンゼンとナフタレンの液相‐固相平衡。共融混合物なので扇が2つパターン。扇の中の状態がどうなっているか理解してもらう。
薬剤師国家試験:第103回、問92→液相‐固相平衡(水と塩化ナトリウム)


2025年11月16日日曜日

淡路島でシンポジウムに参加しました

 仕事で淡路島で開かれた国際シンポジウムに参加してきました。場所は淡路夢舞台です。いつも色々な学会やシンポジウムでお世話になっている会議場で、ホテル(グランドニッコー淡路)が併設されていてとても便利なところです。


スケジュールがタイトでほとんど外出もできませんでしたが、夕方のビーチを撮影してきました。瀬戸内海は波が穏やかで映えますね。太平洋の荒波を見て育ったので、別世界の感があります。


2025年6月14日土曜日

東京大学への出張(2)

12日に続き、13日も東京大学で新しい実験を習っておりました。夕方までみっちりと御指導いただきました。実験終了後にちょびっとだけ東大のキャンパスとその周辺を散策しました。

東大農学部のある弥生キャンパスには忠犬ハチ公と飼い主だった東大教授の上野先生の銅像があります。忠犬ハチ公の像というと渋谷のイメージですが、飼い主と一緒の像およびハチ公の標本は東大農学部に置かれています。昔、東大農学部が駒場にあった時分に、上野先生が渋谷から駒場に通勤されていて、その出迎えにハチが毎日駅まで通っていたのだそうです。その後、不幸にして上野先生が学内で倒れて急逝してしまったのですが、ハチは先生が亡くなられた後も渋谷の駅まで迎えにいったそうです。ハチ公の名前の由来は、学生たちが先生の飼い犬を呼び捨てにするのに忍びず、敬称である「公」をつけてハチ公と呼んでいたからだそうです。

弥生キャンパスの外には、弥生式土器が発掘されたことを示す碑が建っています。何でも最初の弥生式土器は、この弥生二丁目で見つかったそうです。弥生二丁目で見つかった土器だから弥生式土器、弥生式土器が出てきた時代だから弥生時代、です。町の名前が時代の名前になっているって凄いことですね。

折角なので上野公園経由で宿に戻りました。都会は見どころ満載です。


2025年6月13日金曜日

ノートの値段に驚く

昨日に引き続き、東京大学で新しい実験を習っています。普段の実験やセミナーについては、下記のノートをメモ帳として使っています。(これ以外にデータを印刷したバインダーなども併せて使用しております。)今回は新しい実験なので色々メモした結果、持参したノートを使い切ってしまいました。そこで急遽東大の生協で新しいものを購入したのですが、値段が1冊290円もして驚きました。普段は研究室の秘書さんがまとめて購入して下さっていて、値段は気にせず使っておりましたが、如何に贅沢だったか実感しました。

そうは言っても研究活動のバロメーターのようなところがありますので、今後もドシドシ使っていこうと思います。


例によってチマチマした性格なので、これまでにノートを使い切るのに要した日数を記録してグラフにしています。現在のノートが42冊目で、1冊あたり平均47.5日で使い切っています。これを見ると、異動してきて最初の頃は如何に仕事をしていなかったかが一目瞭然です。お恥ずかしい。



東京大学へ出張しました

実験の装置を借りるために東京大学の本郷キャンパスへ出張しました。梅雨入り宣言直後だったので、雨が心配でしたが、幸運にも降らずに済みました。キャンパスは紫陽花がとても綺麗でした。

お昼休みの時間を利用して、本郷キャンパス内を散歩しました。歴史のある大学なので見所が満載でした。まずは安田講堂で、キャンパスの中心にそびえたっていました。

その安田講堂の斜め前には三四郎池があります。水が流れ込むところが小さな滝のようになっていて清涼感がありました。これが都心のど真ん中にあるというのは大変贅沢です。


三四郎池から旧中山道の方へ歩いていくと、東大の代名詞ともいうべき有名な赤門がありました。現在は閉まっているようです。

お昼休みの10分間くらいで散策したのですが、充分に観光した気分になれました。

2025年5月25日日曜日

京都大学に出張しました

先週は京都大学に出張しました。久しぶりに訪れる、懐かしの母校です。京都に限りませんが、兎に角観光客が多いので、混雑が著しく、移動には苦労しました。久しぶりに見る鴨川です。平家物語では、白河天皇が「賀茂川の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と嘆いたというエピソードが出てきますが、私レベルだとわが心にかなうものがそもそもあるでしょうか。

そんなことはさておき、鴨川を抜けて丸太町通りから東大路通に入ると懐かしさがこみ上げてきます。近衛通りからみる大文字山の景色は昔と変わりませんね。

もう20世紀の話ですが、私は京大にいたときに体育会系オーケストラに所属しておりました。当時は、いつも吉田寮の辺りで楽器の練習をしていたのですが、久しぶりに吉田寮をみたら綺麗になっており、当時の面影がなくて驚きました。あの頃は写真の左側の部分に、オーケストラと舞踏研究会のサークル用の建物(通称、ボックス)があり、その奥に吉田寮の食堂がありました。しかし私が大学2年の時に火事でそれらの建物が焼失してしまいました。その後、オーケストラのサークルボックスは生協の建物に移動しましたが、私たちは専ら焼け跡で練習していました。京大生は変人が多いのですが、当時の焼け跡には誰かが丸太を大量に運んできて砦が築かれたりしていました。久しぶりに吉田寮の敷地に足を踏み入れると、当時の空気感が蘇ってきました。
今回の出張の目的は、京大の芝蘭会館で開かれる研究発表会に出席することです。芝蘭会館は、東一条の交差点から西に入ってすぐの建物です。2日間、この建物に缶詰めになって沢山の素晴らしい発表を聞くことが出来ました。


2025年5月3日土曜日

連休の初日はグッタリしている(日々の雑感)

今週は月曜日から4月の疲れがドッと出て体調を崩しており、連休初日の今日は一日グッタリ、のんびりとしておりました。

午前中は、職場に少しだけ出向いてLBプレートの回収をしました。遺伝子の組み換えは大腸菌と人間が1日2交代制で働くので仕方ない作業です。

《中途半端に実験を説明》 分子生物学系のラボではお馴染みですが、遺伝子の組み換え体は大腸菌を使って作成します。研究の目的となる遺伝子をコードしたDNA断片は、そのままでは細胞などの実験には使えないので、DNAが環状に繋がったベクターという入れ物に挿入する必要があります。そのために、まず目的遺伝子をPCRで増幅し、制限酵素というDNAを切断する酵素によって直鎖状に開いたベクターと混合したのちに、ライゲース(Ligase)という別の酵素を用いて目的遺伝子とベクターを繋げます。これで目的遺伝子が挿入されたベクターが出来るのですが、如何せん量が少なく、使いづらい状態です。そこで、目的遺伝子とつながったベクターを大腸菌に導入して増幅します。大腸菌に目的遺伝子を導入して、抗生物質を添加した寒天培地に塗布し、37度で1昼夜(大抵夕方から翌朝まで)静置すると遺伝子が導入された大腸菌だけがコロニーを形成します。1つのコロニーには大抵1種類の遺伝子しか入らないので、それぞれのコロニーを液体培地で増やしてやれば均一な遺伝子を回収することができます。遺伝子組換え実験で、大腸菌が増えるのを待っている時間は結構長く、このステップを効率よくスケジュールに入れるのが肝になります。私たちの場合は、例えば金曜日の夕方に大腸菌のプレートを作成して、土曜日の朝に回収。日曜の夕方にプレートからコロニーを突いて液体培地に植菌する、というスケジュールでやっています。こうすると少ない労力で土日も遺伝子作成実験が進められます。これらの作業を平日にやると、日中が暇になるのでもったいないです。他にもやること、やりたいこと、やらなければならないことは沢山あるんです。

LBプレートを回収した後は散歩をしながら家に戻り、昼寝。起きたら、最近NHK-BSでやっている「ウルトラQ」の4Kリマスター放送の録画を鑑賞。これまで何度も見ている筈なのですが、やっぱり良いです!昔の特撮が大好きです。

その後は掃除して洗濯して買い物をして…といつもの週末でした。今日は、何となく興がのって色々買いすぎてしまい、大いなる出費となりました。最近は物価が高くて困りますね。


2025年2月7日金曜日

名古屋大学医学部に出張

お仕事で名古屋大学の医学部に行ってきました。大阪から新幹線と在来線を乗り継いで2時間くらいでつきました。名古屋大学の医学部は鶴舞キャンパスという所にあり、付属病院と併設されています。JR中央本線の鶴舞駅が最寄り駅になります。これまでに何回か来させていただいたことがあるのですが、病院の巨大な建物に圧倒されます。

予定よりも少しだけ早く到着したので、建物の外周を1周りしました。すると名古屋大学医学部の前身にあたる、愛知県立医学校時代から使われていたという門扉が保存されていました。愛知医学校がここ鶴舞にあったのは1914年からだそうですので、100年くらいは経っていそうです。現在は、有形文化財だそうです。流石、歴史と伝統ある大学です。

さらに外周を巡ると、奈良坂源一郎博士の邸宅跡、という立て札と石碑がありました。奈良坂博士は、名古屋大学医学部の解剖学教授を何と40年もされていた方で、博物学でも多大なる貢献をされた方だそうです。
私のような生化学をやっているものにとって、酵素の反応速度論といえば、ミカエリスメンテンの式が真っ先に思い付くのですが、その式を考案した一人である、レオノール・ミカエリス博士も名古屋大学医学部の生化学の教授だったことがあるそうです。そもそも日本にいたことがあることすら知らなかったので、大変驚きました。

仕事でも色々勉強させていただきました。また機会があれば是非訪れたいです。

2025年1月7日火曜日

長期の休み明けは仕事がつらい

今年の冬休みは暦の並びに助けられ、12月28日~1月5日まで9日間も取ることができました。仕事も大体落ち着いていたので、少しウェブのミーティングが入りましたがそれ以外はガッツリと休むことができました。年明けは、昨日から出勤しておりますが、長期間のお休みの反動で仕事が辛いです。ついつい「仕事、限界が近い」とか「働きたくない」のワードをグーグルで検索してしまいます。そのうちに、今後にかかるであろう出費と現在の資産を冷静に勘定することで、頭が平常に戻っていきます。目の前の給料日を目標にして、日々労働に励んでおります。

下の写真は、1月5日に東海道新幹線の車内から撮影した富士山の写真です。ちょうど新富士駅の辺りを走行していたタイミングだったと思います。富士山の全貌が綺麗に見渡せて、あるで絵画のようだと感動しました。綺麗な富士山が見えたので縁起が良いと信じて頑張ろうと思います。



2024年12月3日火曜日

長崎の海沿いをジョグ!

長崎に出張して、朝から夕方までみっちりミーティングに参加してきました。その代わり、夕食後は少し時間ができたので、長崎駅近くの海沿いの公園を6キロほどジョグしてきました。一日中、座りっぱなしだったので体がほぐれて気持ち良かったです。適当に走れそうな場所を見つけて走ったのですが、とても走りやすく、周囲にはジョガーが沢山いました。どうやら定番
のスポットだったようです。景色もとても綺麗でした。良き旅の思い出になりました。












江戸の仇を長崎で(長崎出張)

出張で長崎に行きました。しかも飛行機ではなく、好き好んで大阪から6時間近くかけて新幹線で行きました。昼過ぎに新大阪から山陽新幹線で博多へ行き、特急みどりに乗り換えて武雄温泉駅に行き、新幹線かもめに乗り換えて長崎駅に着いた時には夜になっていました。次の日は朝から仕事です。着いて早々ホテルで寝ました。

JR新大阪駅は開業60周年だそうです。


それでこれが博多駅です。ここに降りるのは久しぶりです。


武雄温泉駅から長崎駅まで乗った西九州新幹線かもめです。初めて乗りました。


ああ~、長崎は~今日も~雨だった~♪って、昭和の歌を引用してみました。次の日は下記のように晴れてくれて良かったです。



2024年10月10日木曜日

今年のノーベル化学賞について思ったこと

今年(2024年)のノーベル化学賞には、蛋白質工学の大家であるワシントン大学のDavid Baker教授、AIを用いた蛋白質の立体構造予測ソフトウェアAlphaFoldの開発者であるDeepMind社のDemis Hassabis氏、John Jumper氏の三氏が選ばれました。

David Baker教授は小生と年齢がそれほど変わらないのですが、私が学位を取って何とかポスドク研究員になった時には、既に教授としてNature誌やScience誌に続々と論文を発表されていました。特にDe novoにおける人工的な蛋白質デザインのセンスが素晴らしく、最近では天然には存在しない人工の機能性蛋白質を一から創出されています。この手の蛋白質工学的な仕事をする人は昔から沢山いるのですが、(自省的な意味を込めて言いますが)ともすると自己満足に陥りがちで、他の分野の生物学者を満足させる研究にはなりにくい印象があります。しかしDavid Baker教授の仕事は洗練されていて生物学的意義も大きく、いつも感心させられます。

また蛋白質の立体構造予測のソフトウェアであるAlphaFoldですが、このソフトウェアが出る前後では構造生物学分野の状況が一変したと言っても過言ではない、本当に革命的なソフトウェアです。小生は実験を生業にしている構造生物学者ですが、AlphaFold以前の立体構造予測と言ったら、難しい理屈を並べた割には実に頼りないもので、その精度は信頼できるものではありませんでした。それ故に、無いよりまし”Better than Nothing”的な扱いだったと思います。それが、2020年にAlphaFold2が発表されるや否やその精度の高い予測で一大センセーションを巻き起こしました。現在もどんどん改良が続いており、新しい地平を切り拓いた偉業であることは間違いないと思います。驚くべきは、Demis Hassabis氏は2016年に囲碁の世界チャンピオンを破ったソフトウェア、AlphaGoの開発者でもあることです。当時、チェスよりも遥かに複雑なプロセスを必要とする囲碁は強力なソフトウェアを開発するのが難しいとされていましたが、AlphaGoによってその固定観念が打ち破られました。凄い人は色々な方面で世界を動かすのだと感心します。


余談ですが、私はくじらやで夕食を食べた後は阪大吹田キャンパス内を散歩するのが日課なのですが、昨日は大阪大学の本部裏の駐車場にテレビの中継車と思しき車が止まっているのを見かけました。こうした光景は、過去に在籍した理化学研究所でも東京大学でもこの季節になると見られました。もし受賞者がいれば、即座に取材しないといけないですし、それ以外の場合でも受賞内容について解説のための映像を取らないといけないですから、マスコミの方も、それに対応する広報の方も忙しいのだと推測されます。以前、受賞の候補に挙がった先生からお聞きしたのですが、ノーベル賞の発表はかなり直前なのだそうです。それ故に、受賞が有力視されている先生が在籍されている研究機関では、いざという時に備えて事務担当者は毎年スタンバイしていると聞きました。受賞した人、逃した人、周囲の人、それぞれこの季節には色々なドラマがあるのだと思いました。

2022年10月27日木曜日

生化学実験のTips(蛋白質精製)

学生の時から生化学の実験を始めて早幾星霜という感じで、今ではすっかりベテランです。色々な実験のTipsをどこかにまとめておこう思っているのですが、一向に気が向きませんでした。とりあえず思いつくままに、ここにコツコツと書き溜めて置ければと思っております。

BigDyeで反応させたシークエンスPCR溶液の簡単エタ沈(エタノール沈殿)
現在の研究室では、DNAの配列解析は、シークエンスPCR溶液を乾燥ペレットにして受託会社に送付しております。シークエンスPCRは溶液量を10uLにして行っています。以下のプロトコールは、PCR後の溶液に対して行います。
1. Add 40uL 80% Ethanol
2. Incubate room temperture (r.t) for 15min
3. Centrifuge 150,000rpm, 10min, r.t
4. Remove sup
5. Add 125uL 70% Ethanol
6. Centrifuge 150,000rpm, 10min, r.t
7. Remove sup & Dry up
8. Submit to Azenta

蛋白質精製の基本、SDS電気泳動
自作CBB染色液 (500mL)
CBB R-250: 1.25g
10% EtOH: 250mL
10% Acetic acid: 50mL
MilliQ: 200mL
*メタノールではなく、エタノールで作るのがポイントです。廃液の処理が楽だからです。ゲルを染色した後の脱色は水道水を入れてレンジで温めるだけで色が抜けてくれるのですごく楽です。染色した後の染色液は、別ボトルに回収しておけば、何度も使用可能です。

ゲル作成装置(10枚用ミニゲル作成槽兼グラジェント作成槽、NA-1610、日本エイド⁻株式会社)
電気泳動のゲルが10枚まとめて作成可能なのでとても便利です。
私が普段使用している12% アクリルアミドゲル10枚用のレシピは下記の通りです。
まずSeparateゲル溶液を全量入れ、イソプロパノールの重層します。ゲルが固まったらイソプロパノールを除き、Upperゲル溶液を1枚のゲル辺り1.6mL程度入れ、コームを指します。

                                                                    Separate        Upper
30(w/v)%-アクリルアミド/ビス混合液(29:1)        39.6mL        2.65mL
(ナカライテスク株式会社、06141-35)
WIDE RANGEゲル調製用緩衝液(4倍濃縮)             24.75mL    5mL
(ナカライテスク株式会社、07831-94)
MilliQ水                                                            33.66mL    12.15mL
10%(w/v) SDS                                                990uL        200uL
10%(w/v) APS                                                990uL        200uL
TEMED                                                            66uL        20uL

普段は10枚ずつまとめて作成し、コームが刺さったままの状態でゲルの周りを濡れたキムワイプで覆い、ラップでくるんだ状態で冷蔵庫に保存しています。ゲルが乾燥しなければ1~2週間くらいは使用可能です。

2020年10月1日木曜日

生化学実験のTips (大腸菌を用いた蛋白質の大量発現)

折角なので生化学実験のTipsでも書いておこうかと思います。面倒くさがりなので、ちゃんとしたものなるかは我ながら疑問ですがコツコツ書き足せればと思っております。

まず最初は遺伝子工学&生化学の基本である、大腸菌の取り扱いでも書いてみようと思います。

大腸菌の使い道
大腸菌は、目的遺伝子の組み換えや目的蛋白質の発現などで活躍する、生化学者に最もなじみの深い菌です。遺伝子工学によって様々な菌株が開発されています。

大腸菌の菌株の選択
大腸菌の菌株は実験の用途に応じて使い分けるのが基本かと思います。遺伝子組み換えの時はDH5α株の一択かと思いますが、蛋白質発現の時には目的蛋白質と菌株の組み合わせによって、菌の増え方と目的蛋白質の発現量が大きく異なりますのでケースバイケースという印象です。私は普段、BL21(DE3)株やBL21(DE3)RIPL, Rossetta2(DE3)などを主に使用しております。蛋白質発現に特化した菌株は色々なメーカーから様々なものが市販されているので、目的蛋白質の種類によってそれらを使い分けるのが良いと思います。最初は菌株の種類と培養・誘導条件を簡単なマトリックスにして、比較検討するようにしています。
例えば最近の実例ですが、とあるT細胞受容体の場合にはBL21(DE3)とRossetta2(DE3)の二種類の菌株で誘導条件を2パターン試して、合計4つのマトリックスにして最適化を探すようにしています。この場合は大腸菌の不溶性画分から回収して巻き戻し法によって精製することが多いのですが、菌株はRosseta2 (DE3)が比較的良好な結果を得られています。

ベクターの選択
最終的に得られる蛋白質の収量や安定性に最も寄与するのが発現領域の選択ですが、それ以外にもアフィニティー精製用のタグの種類や位置(N末端かC末端)、タグを切断するためのプロテアーゼの選択などが重要になります。蛋白質の発現用にはpET, pGEX, pCold, pGMT7などを色々使い分けています。タグの種類は本当に色々ありますが、HisタグかGSTタグをよく使います。封入体からの巻き戻し法などでは特にタグを使わなくても高純度に精製できたりします。

蛋白質発現の誘導条件
IPTGによる発現誘導は添加するIPTG濃度と誘導後の温度、培養時間などのパラメータを最適化する必要があります。

LB培地の組成 (1L辺り)

10g Tryptone (Nacalai tesque, code: 35640-95)

5g Yeast extract (Nacalai tesque, code: 15838-45)

10g NaCl (Nacalai tesque, code: 31320-05)

*ラボによっては三つすべて10グラムずつ入れている所もあり。

*1Lの培地作成を横着するときはミリQを1L入れ、粉末を加えてオートクレーブしている。


TYP培地 の組成(1L辺り)

16g Tryptone

16g Yeast extract 

5g NaCl

3.3g Potassium phosphate dibasic

*Dissolved into pure water & adjusted to 1L, then autoclaved (121 C, 20 min)

*大腸菌の大量培養は普段LB培地を使っているが、菌体収量が悪い場合にはTYP培地にすることがあります。ただ大腸菌の菌体量と肝心の蛋白質の収量は必ずしも相関しない印象があるので痛し痒しですが。


Antibiotics stock solution

                                              Stock                   Solvent                Used

Ampicilin (or Calbenicilin)             50mg/mL             Water                20~60ug/mL

Tetracycline                               5mg/mL               Ethanol               10~50ug/mL

Chloramphenicol                         100mg/mL           Ethanol              25~170ug/mL

Kanamycin                                 20mg/mL             Water                10~50ug/mL

Streptomycin                              20mg/mL             Water                10~50ug/mL

*AmpicilinにするかCalbenicilinにするかはラボに依る印象。




2020年2月23日日曜日

東京から大阪へ引っ越し

先月に仕事の都合で大阪に引っ越しました。色々生活が変わりましたが、大好きな深夜番組である「タモリ倶楽部」が半年遅れくらいになってしまって寂しいです。テレビ朝日では金曜日の24時20分から50分に放送されていますが、ABC(大阪朝日放送)では土曜日の25時40分から26時10分の枠になります。先日、放送されたのは「ジョグ鉄?もじ鉄?LED鉄?細分化しすぎ!ニュー鉄の世界」だったのですが、これは東京で去年の9月13日に放送された回でしたので5カ月くらい遅れています。

これまでにも何度も関西で生活したことがありますが、基本は関東人なので金曜日の深夜番組は「探偵ナイトスクープ」よりは「タモリ倶楽部」が見たいです。


2019年11月24日日曜日

11月は出張が多かった(尾張名古屋は城でもつ)

普段、私の仕事は大抵研究室にこもっていて、出張と言えば学会と放射光施設へ行くぐらいなのですが、11月は何故か泊りがけの出張が3回も入ってしまいました。ビジネスマンの方々には何だそんなものか、と思われそうですが、枕が変わると寝られない私には大問題でした。先週は名古屋大学の共同研究者の先生にお呼ばれして研究打ち合わせ&セミナーに行ってきました。行きは大変天気が良く、新幹線の車窓から富士山も下の写真のようにくっきり見えました。


先方の研究室の方々には大変良くして頂いて、色々教えていただたのみならず、夕食&次の日の朝食も御馳走になってしまいました。帰りは天気が悪く、雨が降っていて富士山は全く見えませんでした。何より疲れて新幹線の中でずっと寝ていました。12月は再びラボにこもりきりの予定です。

2019年11月6日水曜日

サインがいっぱい高エネ研

私は仕事で茨城県つくば市大穂にある、高エネルギー加速器研究機構(通称:高エネ研)という施設をよく利用します。高エネ研は元々物理学の研究所で、広大な敷地の中に素粒子物理学のための巨大加速器や生命科学のためのシンクロトロン放射光などがあります。高エネ研の学術的な貢献度は非常に高く、小林・益川理論でノーベル賞を受賞された小林先生も在籍され、同じくノーベル賞を受賞された小柴先生、梶田先生のニュートリノ研究にも高エネ研の施設が活用されています。

私は生命科学を専門にしていますので、高エネ研の中のPhoton Factoryというシンクロトロン放射光施設を使わせてもらっています。先日も実験時間をいただきまして、行ってまいりました。

仕事のこまごました話はしてもしょうがないのですが、高エネ研は近年色々な有名人の方々が取材などで訪れているようで、あちらこちらにサインが飾られるようになりました。例えばPhoton Factoryの建物内には下のようなサインが並べられています。左上がリボソームの研究でノーベル賞を受賞されたアダ・ヨナット教授、右上が青色LEDでノーベル賞を受賞された天野浩先生、左下がタレント・編集者の山田五郎さん、真ん中下がアナウンサーの久保純子さん、右下がサイエンスライターの竹内薫さんです。上の二人の大先生たちは実際に施設を使われていたと思うので受賞の記念にいただいたのだと思うのですが、下の三人は何かの番組の撮影でしょうか。


さらに高エネ研の事務の入り口にも下の写真のようにサインが並べられています。東大の梶田先生、DJのピーターバラカンさん、映画監督の押井守さん、漫画家の見ル野栄司さんのサインだそうです。何とも多士済々な方々です。あと、このサインの向かい側には福山雅治さんが主演したテレビドラマ「ガリレオ」の撮影に高エネ研が使われた時の映像ブースやその時に使用された脚本などが展示されています。撮影は禁止とのことで写真はないのですが。

物理の研究所というと薄暗い建物の中で地味に活動することが多いのですが、最近は広報活動を頑張っているようで少しだけ華やいだ雰囲気の場所がありました。

2019年8月29日木曜日

久しぶりの熱海出張

仕事で熱海に1泊2日で出張をしてきました。これで通算三回目か四回目ですが、久しぶりの熱海です。行きは寝坊と不案内とダイヤの乱れで遅刻してしまい、街を見物する時間はありませんでした。その後はホテルに缶詰めで、夜は遅くまで宴会。次の日の早朝に解散ということで、ただ電車に乗って往復しただけになってしまいました。唯一、早朝に港を散策できたのが下の写真です。初島に行くフェリーが出ていました。島でレジャーなんて憧れますが、今の所ただの妄想です。ホテルのエアコンが寒くて風邪をひきました。




2019年6月26日水曜日

祝・奨学金全額免除

今回は世知辛いお金の話、貧乏学生ならば一度ならずともお世話になる人も多い奨学金についてです。

私は博士課程の時に日本育英会(現・日本学生支援機構)から第I種奨学金を借りていました。当時は奨学金が二種類あって第I種が無利息、第II種が利息ありの違いがあります。私が借りていた期間は2001年から2004年までの三年間で、支給額は月額11万9千円でした。当時はこの奨学金と、研究室のTA(Teaching Assistant、実験補助のこと)の給料の月額4万円を合わせて、学費と生活費の一切合切を切り盛りしていました。現在は国公立大学の学費も値上げしているようですが、当時は大学院博士後期課程で学費が年間48万円だったので、ちょうどTAのお金で相殺され、奨学金=家賃+生活費でした。私が住んでいたボロアパートはユニットバス付き四畳半で家賃+共益費が5万5千円でしたので、残りの6万5千円で食費、光熱費、通信費などなどに当てていました。決して多くはないですが、今思い返してみても十分楽しく生活していました。

で、奨学金は貸与ですので学位を取得して卒業した時に三年分の奨学金の合計428万円(!)を返済しないといけません。幸か不幸か当時の契約では、機構が認める免除職(教育・研究関連のお仕事)に15年間就けば全額免除されるというのがありまして、それに従って粘り強く職を続けた結果、この度ようやく全額免除となりました。免除を認めてもらうには毎年毎年雇用契約書やら就業証明書やらを機構に送り続けなければならず、私のようなズボラ者だとハンコが抜けていたり日付が抜けていたりして再提出も一度ならずあり、苦労が絶えませんでした。まあ、そんな骨折りの甲斐あって晴れて無借金となりました。

現在の制度では在籍時の成績によって、成績優秀者には全額または半額免除などがあり、それ以外は有無を言わさず返済となるようです。職を縛らないという意味では合理的かもしれませんね。

先日送られてきた免除の通知です。長~い間にわたって苦労した証です。

2018年12月7日金曜日

台湾の思い出(その2)

まだ写真が余っているので台湾の思い出を追加で掲載します。学会の三日目は午前中で終わりだったので参加者の方々と台南市を見学しました。言葉が不安でしたが、中国人の学生さんが一人いてくれたので大変助かりました。

下の写真は台南市の中心部にある林百貨店です。日本人の林さんが開いたので林百貨店だそうです。中はお洒落な雑貨屋さんでした。

林百貨店の屋上からの眺めです。レトロな感じがいいですね。この屋上には神社がありました。

次の写真は安平樹屋というところです。ガジュマルの木が廃墟の中にまで入ってきていて圧倒されます。ラピュタの世界とのことで、リアルタイムで見ていたオジサンには心に沁みるものがあります。

観覧用の梯子路が完備されていて建物の上も歩くことができました。屋根の上を侵食する様子がよくわかります。植物って、すごいですね。

ガジュマルの枝を縫うようにリスが何匹も走り回っていました。あと、名前の知らない大きな鳥が特徴的な鳴き声で鳴いていました。

台南孔子廟にいた鳥です。人に慣れているようで全然逃げませんでした。

台南孔子廟です。残念ながら外壁は工事中でしたが、中は見ることができました。観光客でごった返していたのですが、ガイドさんがスペイン語かポルトガル語かで説明していました。

観光地もとても良かったのですが、個人的にはこんな感じのうらぶれた路地がグッときます。レトロな雰囲気というか、猥雑な感じがたまりません。京都で過ごした学生時代を思い出します。東京だと、こんな感じの素敵な場所は直ぐにぶっ壊してビルにしますので余りお目にかかれません。職場から谷根千も近いので時々散歩で行くのですが結構新しい建物ばかりです。