危険物を取り扱う施設は火災や爆発などのリスクが高いので、周囲の建物に被害を与えないように法律で色々と規制がかかっています。
保安距離と保有空地はそのような規制の一つで、該当する施設が限られています。
私は中々これが覚えられなくて、結局最後までうろ覚えでした。
保安距離について
保安距離とは製造所等の火災や爆発が保安対象物(以下に示す住宅や学校など)に影響を及ぼさないように、必要に応じて対象物との間に設けなければならない距離のことです。
この距離は施設の外壁から対象物の外壁までの距離を指します。
保安距離の一覧
高電圧設備:3メートル(使用電圧が7,000ボルト以上35,000ボルト以下),
高電圧設備:5メートル(35,000ボルトを超える電圧)
一般の住宅:10メートル
高圧ガス施設:20メートル
学校、病院、劇場など人の集まる施設:30メートル
重要文化財:50メートル
保安距離が必要な施設(こっちを覚える)
製造所
屋内貯蔵所
屋外貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
一般取扱所
保安距離が不必要な施設
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所
簡易タンク貯蔵所
給油取扱所
販売取扱所
移送取扱所
過去問サイトなどでよく見かけたのは、給油取扱所が保安距離が必要かどうか(答えは不要)と、重要文化財までの保安距離(答えは50メートル)などでしょうか。
保有空地について
保安距離と似たようなものに保有空地があります。
保有空地とは製造所等の周りに指定数量に応じて設ける空地のこと。
指定数量の10倍以下なら3メートル、10倍を超えたら5メートルです。
保有空地が必要な施設
製造所屋内貯蔵所
屋外貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
一般取扱所
移送取扱所
簡易タンク貯蔵所(屋外に設ける場合に限り、1メートルの保有空地が必要)
保有空地が不必要な施設(こっちを覚える)
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所
給油取扱所
販売取扱所
身近なところで給油取扱所と販売取扱所(ペンキ屋さんとか)の保安距離・保有空地がどうなのかは押さえておくところだと思います。というか過去問でよく見ました。
紛らわしいポイントとして給油取扱所が設ける『給油空地』というのがあって、
こちらは給油を行うための間口10メートル、奥行き6メートルの敷地のことです。
私はガソリンスタンドの大きさがこのように法律で決まっていることを知らなかったので、ガソリンスタンドがだだっ広いのはこのためかと納得した覚えがあります。