荒木飛呂彦先生のジョジョの奇妙な冒険シリーズは、私が小学生の時にジャンプに連載が始まって、ずっと愛読してきました。これまでにジョジョを通して得た興奮や感動は、最早私の血や肉の一部ともなっているのですが、久しぶりに読み返したくなり、第5部の「黄金の風」の文庫本セット(通しだと30~39巻に相当)を買ってしまいました。
第5部の「黄金の風」の舞台は、イタリア南部。主人公は、ジョルノ・ジョバァーナという少年で、第1部と3部の宿敵であったディオの息子です。ストーリーは、ジョルノが街に麻薬を蔓延させているギャングを乗っ取るために、信頼できる仲間を得て組織の一員になり、ついにはボスと対決する、という話です。もちろん、第3部、第4部と同様に出てくる人物は皆、精神エネルギーの具現体である「スタンド」の使い手で、それぞれの特殊能力を駆使して戦います。私が第5部を好きなのは、テンポ感の良さで、ストーリーの最初から最後まででも実時間としては数カ月もかかっていないところです。その間、ひたすらギャング同士で敵と味方に分かれてバトルを繰り返します。このシンプルさが読んでいて爽快です。個々のバトルも能力を駆使した熱い戦いが多く、見所満載です。久しぶりに読み返しましたが、いつまでも変わらない感動がありました。洋楽からインスパイアされたスタンドもオシャレで格好いいです。
個人的には自分が第5部の登場人物だったら、能力のランクと立ち位置的に、ホルマジオくらいかな~と想像しました。彼のスタンドはリトル・フィートといって、スタンドの爪で相手を引っ搔くと相手を小さくすることができる能力があります。勿論自分も自在に小さくなれます。ホルマジオは暗殺チームの一員ですが、同僚からはくだらない能力と馬鹿にされているらしいです。本人は「くだる、くだらないは使い方次第」と頭脳戦で頑張ります。しかし残念ながら、ナランチャのエアロ・スミスと闘って、暗殺チームの中で真っ先にやられてしまいます。能力のしょぼさと、幸の薄い感じがついつい自己を投影してしまいます。
第5部の登場人物とスタンド(登場順で紹介)
ジョルノ・ジョバァーナ、ゴールドエクスペリエンス
広瀬康一、エコーズACT3
ブローノ・ブチャラティ、スティッキーフィンガーズ
ポルポ、ブラックサバス
レオーネ・アバッキオ、ムーディー・ブルース
マリオ・ズッケェロ、ソフト・マシーン
グイード・ミスタ、セックス・ピストルズ
サーレー、クラフト・ワーク
ナランチャ・ギルガ、エアロスミス
ホルマジオ、リトル・フィート
イルーゾォ、マン・イン・ザ・ミラー
パンナコッタ・フーゴ、パープル・ヘイズ
ペッシ、ビーチ・ボーイ
プロシュート、ザ・グレイトフル・デット
亀、ミスタープレジデント
メローネ、ベイビィ・フェイス
ギアッチョ、ホワイト・アルバム
ボス(ディアボロ)、キング・クリムゾン
スクアーロ、クラッシュ
ティッツァーノ、トーキング・ヘッド
カルネ、ノトーリアス・B・I・G
トリッシュ・ウナ、スパイス・ガール
リゾット・ネエロ、メタリカ
チョコラータ、グリーン・ディ
セッコ、オアシス
J・P・ポルナレフ、銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)
スコリッピ、ローリング・ストーン(ズ)