2025年5月18日日曜日

「BOSCH ボス」(新潮美術文庫7)を読み返す

最近も山田五郎さんのYoutubeチャンネルである「オトナの教養講座」で美術の勉強をしております。(関連する記事は、こちらこちらです)

その中で、私も以前から好きだった、15世紀のオランダの画家、ヒエロニムス・ボス(1450頃~1516)の作品を紹介している動画が2つありました。一つは、「【ヒエロニムス・ボス】奇妙すぎる絵「快楽の園」には何が描かれている?【オランダの水木しげる】」で、もう一つは「【絵で見る昔のトンデモ医療】恐怖!頭から「石」を取り出す手術とは?【インカ帝国とも関係!?ヒエロニムス・ボス「愚者の石の切除」を山田五郎が解説】」です。どちらも山田五郎さんの博識溢れる解説で非常に面白かったです。快楽の園の解釈などは全く知らなかったので新鮮でした。

下記の書籍は、ヒエロニムス・ボスの生涯と主だった作品を紹介した画集です。動画に出てきた、「快楽の園」(下記の画集だと、地上の愉楽の園)や「愚者の石の切除」(下記の画集だと、阿呆の治療)も図説入りで丁寧に解説されています。ボスは生涯に30点しか作品がなく、署名入りは7点しかないそうです。ボスというと、「オランダの水木しげる」と評されているように、魅力的な怪物(悪魔?)が沢山登場します。魚介類だったり鳥類、獣などが擬人化されたような怪物になり、人を飲み込んだり、手紙を運んだり、楽器を奏でたりと画面の中で大忙しです。どういうインスピレーションでこのような怪物が生み出されていったのかは、諸説あるそうです。それにしても地獄の描写がリアルで夢に出そうです。今の様々な映像に馴れた私でさえそう感じるのですから、当時の人達はビックリしたのではないかと想像したりします。

一方、「愚者の石の切除」のように世相を皮肉った作品もあり、登場人物の表情の豊かさに驚きます。私はそういった作品の中では「手品師」という作品が好きです。これは手品に見とれて財布をすられているのに気づかない女性の表情が秀逸だと思います。

今日は、床屋の待ち時間が長かったので、久しぶりに画集を眺めておりました。