2024年12月29日日曜日

「地面師たち」(新庄耕著、集英社文庫)が面白かった

新幹線のお供に新大阪駅の本屋で買った「地面師たち」ですが、最初から最後まで引き込まれっぱなしで、列車に乗っている間に一息で読んでしまいました。この作品は、Netflixのドラマの原作で、闇にうごめく地面師たちが大企業相手に不動産詐欺を仕掛けるサスペンスものです。

元ヤクザでグループのボスのハリソン山中と、身内が起こした事件で家族を失った拓海。この2人を中心に怪しげな詐欺師たちが結託して、あの手この手で相手の企業を欺いていきます。ついには泉岳寺の宗教施設の土地取引で、一流企業に巨額の詐欺事件を仕掛けます…ネタバレになると申し訳ないので、これ以上はあらすじは書きません。実際に読んでいただければと思います。とにかくアクの強いキャラクターが次々と登場して、それらが作中で生き生きと悪事を働くさまが清々しささえ感じさせます。特にハリソン山中の頭のネジがぶっ飛んだ言動が強烈なインパクトを受けました。まさか最後がああなるとは。

この作品はモチーフになる実際の詐欺事件があるそうで、それが東京・五反田で廃旅館「海喜館」の土地売買に絡んで積水ハウスが騙された事件だそうです。本作は、それをベースに濃い~人物を詐欺師側にも企業側にも捜査する警察側にも次々と入れ込んで、見事な活劇になっています。

途中、昼寝することも、富士山をみることも忘れて没頭して読んでしまいました。



2024年12月24日火曜日

今年もM-1グランプリが面白かった

毎年楽しみにしているM-1グランプリですが、今年もすごく面白かったです。令和ロマンが2年連続First roundのトップバッターから優勝したのは圧巻でした。緻密に計算されつくした漫才は、頭の良さを感じさせて感服です。個人的には、籤で令和ロマンを最初に引いてくる柔道の阿部選手の「持っている」感じが流石だと思いました。やっぱり世界チャンピオンに輝く人は、そういう強烈な引きを持っているのだと感心しました。準優勝だったバッテリィズは、今年のM-1で初めて見たのですが凄いインパクトでした。会場を沸かせた点では一番だったのではないでしょうか。審査員の方も口々に言われていましたが、難しいことを考えなくてよいシンプルな漫才がとても新鮮でした。個人的には、3位になった真空ジェシカのちょっと毒のある笑いが大好きです。First roundの商店街の漫才は、何度も再生してみてニヤニヤしています。勿論これまで3年間にやられていた、一日市長とかB画館とか高齢者の人材センターとかのネタも大好きです。

別に普段は漫才とかをあまり見ないのですが、賞レースはついつい見てしまいます。また次の大会が楽しみです。

《結果の抜粋》

First round

第1位:バッテリィズ 861点

第2位:令和ロマン 850点

第3位:真空ジェシカ 849点

第4位:エバース 848点

第5位:ヤーレンズ 825点

第6位:トム・ブラウン 823点

第7位:マユリカ 820点

第7位:ダイタク 820点

第9位:ジョックロック 819点

第10位:ママタルト 812点


Final round

優勝:令和ロマン 5票

準優勝:バッテリィズ 3票

3位:真空ジェシカ 1票

2024年12月22日日曜日

今年の全国高校駅伝をテレビ観戦

今年も京都で全国高校駅伝(第36回全国高校駅伝・女子、第75回全国高校駅伝・男子)が行われました。結果は、女子も男子も長野県のチームが優勝しました。女子の長野東高校は2年ぶり2回目、男子の佐久長聖高校は2年連続4回目の優勝でした。長野県は伝統的に駅伝が強いですね。どちらのレースも終盤までもつれる展開で見ごたえがありました。特に男子のレースは、宮城県の仙台育英高校と福岡県の大牟田高校とのし烈な優勝争いに興奮しました。

我が故郷の茨城県からは、女子が茨城キリスト教学園高校と水城高校、男子が水城高校と水戸葵陵高校がそれぞれ代表として出場しました。それぞれ2校あるのは、県代表に加えて北関東地区代表の枠も獲得したからです。結果は、女子が19位(茨城キリスト教学園高校)と31位(水城高校)で、男子が11位(水城高校)と27位(水戸葵陵高校)でした。中でも男子の水城高校は県予選を大会記録で勝ち上がってきただけあって、全国の舞台でも実力を発揮され、茨城人として嬉しい限りです。もう都大路も2年ぶり18回目の出場となり、すっかり名門ですね。OBも箱根駅伝で活躍する選手も多いですし、特に黒崎播磨に所属している細谷恭平選手(水城高校→中央学院大学)はマラソンで日本代表が狙える位置につけています。茨城出身の駅伝ファンである私は今後も地元の高校とその卒業生を応援していこうと思います。

《結果の抜粋》

女子(21.0975km)

第1位:長野東高校(長野県)1時間07分27秒

第2位:仙台育英高校(宮城県)1時間07分45秒

第3位:大阪薫英女学院高校(大阪府)1時間08分05秒

第19位:茨城キリスト教学園高校(茨城県)1時間10分58秒

第31位:水城高校(茨城県・北関東代表)1時間11分48秒


男子(42.195km)

第1位:佐久長聖高校(長野県)2時間01分33秒

第2位:大牟田高校(福岡県)2時間01分57秒

第3位:仙台育英高校(宮城県)2時間02分39秒

第11位:水城高校(茨城県)2時間05分48秒

第27位:水戸葵陵高校(茨城県・北関東代表)2時間08分32秒


2024年12月21日土曜日

HD-2D版『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』をやってみて

毎日、隙間時間を見つけてはSwitchのHD-2D版ドラゴンクエストIII(ドラクエ3)を少しずつ進めています。ドラゴンクエストIIIは、私が小学生の時にファミリーコンピューター(ファミコン)のソフトとして発売され、社会現象になったと言われたほどに流行したゲームです。その後、スーパーファミコンをはじめとする後継ゲーム機に移植され、ついにSwitch版が出ました。私は初代からずっとやり続けているのですが、今回のSwitch版は驚きの連続でした。

まず最初のキャラクター設定で性別の設定が無くなっていて驚きました。全部男だと思って、適当にビジュアルで主人公のキャラクターを決めていたら、女の子になってしまいました。おお、こんなところにアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)が!と驚きました。職場で研修を受けていたのに、思いが至りませんでした。
また、ドラクエ3の楽しみと言えば、フィールドのあちこちにあるツボや樽、家の引き出しやタンスを丹念に調べて、小さなメダルなどのアイテムを収集するところだと思っていたのですが、今作はそもそも調べられる所にしか、「調べる」というコマンドが出てこないことにも驚きました。まあ、便利と言えば、便利なんですが、どこにあるかわからないのをひたすら探すのも醍醐味だったように思います。これも昭和のオジサンのボヤキですかね。たしかに、ドラクエ2では、海のどこかに沈んでいるという情報を基に財宝を探すミッションとかは自力で見つけるのは大変でしたしね。
あと、ゲームオーバーになった時に、直前のオートセーブで復元できるのも便利ですが、ここにも昭和のノスタルジーから複雑な感情が湧いてきます。40年近く前はセーブ機能がないため、王様に「ふっかつのじゅもん」を教えてもらって、次の再開時に入力しておりました。画素数の粗い文字は大変見づらく、広告の裏紙にメモしたはずの「ふっかつのじゅもん」がどうやら書き間違えたようで、二度と復活しなくなってしまった時は、世の中の厳しさを痛感したものです。もうそういう事を感じることが無くなったのですね。まあ、便利ですけど。

ドラクエ3は、様々なキャラクターと4人でパーティーを組んで冒険します。私は、4人のパーティーの中に賢者を2人加える、自称「ダブル賢者体制」で挑むのが好きです。今回もようやくパーティーに加えた賢者が育ってきて、冒険が軌道に乗ってきました。ドラクエ3では、普通は最初の段階で職業を決定できるのですが、賢者だけは特殊な職業で、レアアイテムである「さとりのしょ」を入手するか、全く言う事を聞かない「あそびにん」をパーティーに加えて、Lv.1から我慢してLv.20まで育てる必要があります。「さとりのしょ」は滅多に手に入らないので、遊び人を地道に育てることで賢者にしました。しかし、遊び人は全く戦力にならないので他のメンバーの負担が大きくて苦労しました。4人のパーティーのうち、自分自身である勇者と賢者2人、あと一人は今回のSwitch版で追加された職業である「まもの使い」にしました。魔物使いは、MPが少ないのですが、全体攻撃ができるためかなり有用でした。

もう何度もプレイしているせいか、ストーリーは過去のうろ覚えの記憶で攻略を進めてしまったりするので、時々ストーリーの順番が逆転しておかしなことになっています。例えば、サマンオサ城にいる強敵、ボストロールとの闘いをジパングの洞窟やムオルの村よりも先に挑んだ結果、パーティーが強くなりすぎてしまい、その後に戦ったジパングのボスであるヤマタノオロチや、ムオルでグリーンオーブを守る悪魔が完全にザコ敵になってしまって、申し訳ない気持ちになりました。彼らは正規の順番で行くと、強敵なんです。

2024年12月11日水曜日

いつまでもドラクエ《昭和のオジサンの回想》

私が小学校低学年の時分はゲームウォッチという、今のスマホくらいの大きさの白黒画面の携帯ゲーム機が流行しておりました。小さな画面の右と左にボタンが付いていて、キャラクターを動かして適切なタイミングでボタンを押して障害物を避けたり、敵を倒したりする、ごくごく単純なゲームでしたが、スピードが上がると一気に難易度が上昇するので、結構楽しいものでした。当時は、ドンキーコングやマンホールなどのゲームが人気だったと思います。しかし如何せん1台のゲーム機では1種類のゲームしか遊べないので、飽きてしまうと次のゲーム機本体を買う必要があることと、基本的に1画面固定のゲームでグラフィックも棒人間のような簡単なものしかなかったと記憶しています。

そんな状況だった1983年に任天堂が初代ファミリーコンピューター(ファミコン)を発売した時の驚きは今も鮮明に覚えています。当時の任天堂と言えば、花札のメーカーというイメージでした。その会社が綺麗なカラーの画面で、ゲームセンターで遊ぶようなゲームが入ったカセットを次々と発売したので、当時の小学生は飛びつきました。同時期にはエポック社(カセットビジョン、1981年発売)や、セガ(SG-1000、1983年発売)が同じようにカセットを差し替えて遊べるゲーム筐体を出していたのですが、私の界隈では圧倒的にファミコンのシェアが高かったです。私はというと、残念ながら買ってもらえなかったので、友達の家をハシゴして遊んでいました。性根が図々しいので当時は何とも思わなかったのですが、今にして考えると迷惑なガキですね。

初期のカセットとしては、マリオブラザーズやテニスなどを近所の友達の家で皆で遊んだ記憶があります。その後、シューティングゲームの傑作、ゼビウスや、アドベンチャーゲームの名作、ドルアーガの塔などを遊んでいるうちに、次から次へと魅力的なソフトが増えていきました。

そんな中で1985年に発売されたのがドラゴンクエスト(ドラクエ)でした。故・すぎやまこういちさんの素晴らしい音楽、故・鳥山明さんの愛らしくも恰好良いモンスター、堀井雄二さんの細部まで計算されたシナリオ、すべてが別格に感じました。ロールプレイングゲームそのものが珍しかった時代なので、自分の分身が少しずつ強くなり、徐々に強い敵を倒せるようになり、最後には世界を苦しめる竜王を倒して、世界に平和を取り戻す、というストーリーに強い感銘を受けました。同級生の家で最初から最後まで見届けた感動は今も忘れられません。何といっても、自分ではゲームを持っていないだけに、憧憬を持って心に深く刻まれました。

また、ゲームに付随して強く印象に残っているのが、復活の呪文でしょうか。当時のファミコンはセーブ機能がなかったので、ドラクエでは平仮名の復活の呪文というのがあり、その文字の並びによってゲームの状態を記録させていました。ゲームを終えるときには、最初のお城に戻って王様から復活の呪文を聞き、それをプレーヤーは紙にメモし、次に遊ぶときは最初に前回メモした復活の呪文を入力することで、ゲームを再開していました。この復活の呪文というのが、結構長く、1文字でも間違えるとゲームが再開できません。当時のファミコンのグラフィックの画素数とブラウン管テレビの解像度だと、「ぶ」と「ぷ」などの細かい文字を正確に判別するのは難しく、当時は何度もメモのミスもしくは入力ミスで地獄に落ちることがありました。

そんなこじらせた昭和のオジサンは、大人になってからドラクエ1~8+11を延々とやり続け、先日はついついSwitch用のドラゴンクエストIIIを買ってしまいました。もうゲームの内容は隅々まで知っているはずなのに。私の中では、今でもドラクエは一種独特の魔力があります。今度の週末から遊ぶ予定なので今から楽しみです。

2024年12月7日土曜日

「カグラバチ」(外薗健著、ジャンプコミックス)第5巻が面白かった

楽しみにしていた漫画、カグラバチの第5巻が今月4日に発売されたので、早速買って読みました。月並みな表現ですが、今度の巻もメチャメチャ面白かったです。ネタバレになってしまうのが申し訳ないので書きませんが、楽座市(らくざいち)編が完結して感動しました。まさか、あんな展開になるとは。楽座市編のあとは直ぐに新しい章に突入して、すぐに怒涛の展開になりました。次の巻が待ち遠しいです。1巻からずっと買っていますが、絵もテンポもどんどん良くなっていると素人ながらに思います。付録の絵葉書をみて初めて知りましたが、「カグラバチ」は漢字で書くと「神楽鉢」なんですね。

オジサンが時代だな~と思うのは、主人公一味が新しい作戦に入る時に、敵対していた巨大組織「神奈備(かむなび)」の幹部会議に出席して相手と論戦をするシーンがあるところですね。同じようなシーンは、私の好きな別の漫画「ワールドトリガー」にもあります。どちらの漫画も、主人公達がちゃんと組織の幹部と議論して、自説を相手に納得させ、自分たちに有利な展開を引き出すというのがあります。昭和の脳みそ筋肉な漫画だと、人智を越える強大な力で組織ごとぶっ潰す、となりそうです。リアリティを感じると同時に何かと気苦労の絶えない現実が反映されているような気もしました。

ともあれ、次の6巻は来年2月に発売予定ですね。それまで1~5巻の5冊を繰り返し読もうと思います。

(第4巻の感想はこちらです。)

特別付録の絵葉書です。かっこいい!


12月でも大阪は未だ紅葉

今日は日本海側や北海道で大雪のニュースが流れているのですが、大阪の北摂地域では未だ紅葉が見頃な段階です。今日は天気も良いので、阪大吹田キャンパス周辺の紅葉スポットである三色彩道は写真のように青空に色が映えて綺麗でした。二十四節気によると12月7日は大雪だそうです。大雪は流石に困りますが、大阪ももっと冬らしく寒くなって欲しいです。





2024年12月3日火曜日

長崎の海沿いをジョグ!

長崎に出張して、朝から夕方までみっちりミーティングに参加してきました。その代わり、夕食後は少し時間ができたので、長崎駅近くの海沿いの公園を6キロほどジョグしてきました。一日中、座りっぱなしだったので体がほぐれて気持ち良かったです。適当に走れそうな場所を見つけて走ったのですが、とても走りやすく、周囲にはジョガーが沢山いました。どうやら定番
のスポットだったようです。景色もとても綺麗でした。良き旅の思い出になりました。












江戸の敵を長崎で、ってどこで使う言い回しでしょうか

出張で長崎に行きました。しかも好き好んで大阪から6時間近くかけて新幹線で。午後に新大阪から山陽新幹線で博多へ行き、特急みどりに乗り換えて武雄温泉駅に行き、新幹線かもめに乗り換えて長崎駅に着いた時には夜になっていました。次の日は朝から仕事です。着いて早々ホテルで寝ました。

新大阪駅は開業60周年だそうです。


それでこれが博多駅です。ここに降りるのは何年ぶりだろう。


武雄温泉駅から長崎駅まで乗った西九州新幹線かもめです。初めて乗りました。


ああ~、長崎は~今日も~雨だった~♪って、昭和の歌を引用してみました。実際は下記のように晴れてくれて良かった。



2024年12月2日月曜日

「ロウソクの科学」(ファラデー著、渡辺政隆訳、光文社古典新訳文庫)を読んで

出張で移動中に有名な「ロウソクの科学」を読みました。この本は、ノーベル医学生理学賞を受賞された大隈先生やノーベル化学賞を受賞された吉野先生などが幼少期に影響を受けたという、科学者には霊験あらたかな名著です。

著者のマイケル・ファラデー(1791~1867年)は19世紀にイギリスで活躍した科学者で、貧しい身の上から驚異的な努力で化学と物理学で数々の業績を成し遂げた人物です。特に、電磁気学におけるファラデーの法則が有名ですが、ベンゼンの発見や塩素をはじめとする諸元素の液化などの化学領域でも大きな業績があります。また聞きによる知識ですが、ファラデーは実験の技術が極めて高く、理論ベースと言うよりは実験ベースで発見を重ねた人物と聞いたことがあります。この本は、そんなファラデーが、1860年にロイヤルインスティテューションでクリスマス休暇に少年少女向けに行った6回にわたる講演を書籍化したものです。内容は、ロウソクの構造から様々な物質の燃焼反応、水の生成と性質、気体(水素、酸素、窒素、二酸化炭素)の性質、大気の性質、呼吸と燃焼の関係など多岐に渡ります。驚くべきは、その大半を実験をしながら実演して見せた所で、単なる知識の習得にはとどまらない素晴らしい講義だと思います。

1860年というと電磁気学ではマックスウェル、熱力学ではジュールなどがバリバリ現役のときですね。この中で「ロウソクの科学」は、ロウソクという身近な素材を出発点にして、当時の最先端の科学まで平易に解説した講義と言えます。確かに幼少期に出会えていれば今よりマシだったかも。





昭和のオジサンはダンダダンに惹かれる

このクールのアニメですが、最初はブルーロックとチ。を見始めたのですが、ネットニュースに踊らされてダンダダンも途中から見るようになりました。そうしたら思いのほか嵌っております。本作品のオープニングのシルエットが初代ウルトラマンのオープニングへのオマージュというのはニュースの記事で知っていたのですが、物語中に出てくるセルポ星人のデザインが、ウルトラマンをはじめ数々の怪獣をデザインした巨匠・成田亨さんが生み出した三面怪人ダダとペガッサ星人を足して2で割ったようなものだったり、私のような昭和の特撮ファンを刺激する要素にあふれていて嬉しくなりました。他にもドリフターズのコントでおなじみのタライが頭に落ちてきたり、昭和生まれには嬉しい限りです。極め付きは、前回の放送の中で「24時間働けますか」のキャッチコピーで知られた「Regain」の歌が出てきて思わず感動してしまいました。今の若者は絶対わからないでしょうから、あの部分は我々のようなロスジェネ世代をターゲットにしているのでしょうか。あの歌が流行したのは1989年で、バブル景気(1986年~1991年)の真っ最中です。当時私はまだ子供でしたが、あの時代の一種異様な熱気は今も鮮明に覚えています。Regainの歌は、時任三郎さん演じる牛若丸三郎太がCMの中で歌ったもので、「24時間働けますか?」は、まさに時代の空気を代弁したものでした。嗚呼、懐かしい!

2024年12月1日日曜日

福岡国際マラソン2024をテレビ観戦した

今日はテレビで福岡国際マラソン2024を観戦しました。今回の招待選手には、駒澤大学出身でトヨタ自動車の西山雄介や、同じく駒澤大学出身でJR東日本の其田健也選手、東洋大学出身でトヨタ自動車の西山和弥選手、青山学院大学出身でGMOの吉田祐也選手といった、箱根駅伝やニューイヤー駅伝を沸かせた名選手が多く含まれていて、駅伝マニアにはたまらない顔ぶれでした。

レースの序盤は1キロを2分58秒のハイペースで進みますが、あまりに高速なのかペースメイクがやや安定しない印象でした。その中で、西山雄介選手と吉田選手らが積極的に先頭集団を引っ張っていきますが、25キロ過ぎに西山雄介選手が徐々に先頭集団から離れます。その後、30キロでペースメーカーが外れると、吉田選手とイスラエルのゲタホン選手の一騎打ちになり、そこから吉田選手が加速して一気に先頭に躍り出ます。先頭に出てからの吉田選手の加速は見事で、1キロごとのラップも3分を切っていました。一方、西山雄介選手も意地を見せて徐々に追い上げ35キロ過ぎには2位に躍り出ます。その後、吉田選手は全くスピードが衰えず、コースレコードおよび日本人歴代ベストタイムの2時間5分16秒(トータルでも日本歴代3位!)で優勝し、西山雄介選手は2時間6分54秒の2位でした。吉田選手は、あと少しで日本記録(2時間4分56秒)が更新できるところでした。西山選手も同じ駒澤大学出身の藤田敦史選手(現・駒澤大学駅伝監督)が2000年に出した日本選手コースレコードの2時間6分51秒に迫る記録で見事でした。

レース後の吉田選手の涙のインタビューには感動しました。マラソンは長期間に渡る過酷なトレーニングが必要なうえに、当日の緻密な戦略とそれに対応可能なコンディション調整が求められるため、頻繁にレースに参加するのが難しい競技です。(中には川内優輝選手のように異次元の能力を発揮する選手もいますが…)それだけにプレッシャーは凄いのだろうと素人ながらに感じております。今回の優勝で福岡国際マラソン2勝目、ということで記録にも記憶にも残る見事なレースだったと思います。


記録の抜粋

1位:吉田祐也選手 2:05:16

2位:西山雄介選手 2:06:54

3位:パトリックマゼンゲ・ワンブイ選手 2:08:28

4位:其田健也選手 2:08:52

5位:二岡康平選手 2:09:46

6位:ヴィンセント・ライモイ選手 2:09:51

7位:ビダン・カロキ選手 2:10:18

8位:吉岡龍一選手 2:10:50

9位:西山和弥選手 2:11:33

10位:田中飛鳥選手 2:12:13

2024年11月29日金曜日

キャンパスに未来の車が展示されていて驚いた

先日、昼食の弁当を買いに生協の購買へ行ったところ、近くの広場で自動車メーカーのホンダがコンセプトカー?のようなものを展示しておりました。何の前触れもなく突然展示していたので驚きました。学生さんが大勢群がってスマホで撮影していたので、オジサンも混じって写真を撮影してみました。完全に自動運転なのか、運転席にはゲーム機のコントローラーのようなものがあるだけでメーター各種もほとんど見当たりませんでした。

オジサンはかつてマニュアル車を愛用していたので、隔世の感があります。もう運転中に両手両足をバタバタ動かす時代では無いんですね。


黒のクルマの隣にはワンボックス?のようなクルマがありました。



2024年11月26日火曜日

山田五郎・オトナの教養講座で解説された「経度の発見」に感心した

このところ愛聴している山田五郎さんのオトナの教養講座というYouTubeチャンネルですが、最近はとりわけ「経度の発見」の歴史を解説した動画に嵌っています。この動画では、まずウィリアム・ホガースの版画、「放蕩一代記」の精神病院のシーンに描かれている、経度を求めようとするほど精神を病んでしまった人の像を話のマクラにして、どのようにして経度が決定されるに至ったのかを非常にわかりやすく説明されています。

緯度の算出は非常に古くから知られていて、学校の理科で習った通り、太陽の南中高度か北極星の角度で簡単に割り出すことができますが、経度は簡単には計算できません。動画では、幾多の偉人たちが悪戦苦闘した様子が紹介されます。まず、ガリレオガリレイが先鞭をつけ、天体観測または正確な時刻の測定によって経度が算出可能という予言をしたところからスタートして、振り子時計の発明やホイヘンスやロバートフックなどの改良の試みが紹介されます。その後、1707年に経度の誤認から生じたとされるイギリス海軍のシリー諸島沖海難事故を受けて、イギリスが経度法を制定し、経度の測定法を開発した者に対して高額な賞金をかけ、その審査のための経度委員会が設置されるところまで説明されます。この経度委員会にはニュートンやハレーと言った各学問分野の大御所が名を連ねたものの、該当者がなく開催されることなく日を経てしたのだそうです。しかし、そこへ突然ヨークシャーで大工をしていたという時計職人、ジョン・ハリソンが高精度の時計を開発したことによって初めて委員会が開催されます。その後、ジョン・ハリソンによる幾度もの改良をへて時計はサイズや精度が格段に向上する様子が丁寧に解説してくれています。その知識の豊富さとわかりやすさは、さすが時計好きの山田五郎さんだと心底感心しました。私としては、ハリソンの3号機(H-3)から4号機(H-4)の間の進歩が凄くて驚きました。時計派のハリソンは開発の途中で天体観測派から意地悪されたそうですが、そのような状況でもたった独りで、あそこまで到達できる才能というか執念は感服です。一方の天体観測派も月と他の天体の位置関係から経度を割り出す、月距法というのを開発して、賞金をハリソンに先んじて手にしたそうです。ハリソンも何とか存命の内に賞金を手にできたということで良かったです。こうして時計派と天体観測派が互いにしのぎを削ることによって、イギリスはどこよりも早く経度の測定に成功し、7つの海を制覇したという解説には、とても説得力がありました。技術ってすごいですね。

最後に、イギリスにはしばしば物事を根本から変えるようなゲームチェンジャーとなる存在が出るのだという五郎さんの指摘には大変興味を持ちました。音楽のビートルズとかコンピューターのチューリング(チューリングマシンの人ですね)を挙げられていましたが、私の専門とする分子生物学・構造生物学にもイギリス出身の偉人が沢山います。まずはDNAの二重らせんモデルを提唱したワトソンとクリック。DNAの塩基配列決定法を開発したサンガー。あとは重原子同型置換法という、蛋白質の構造決定に多大なる貢献をしたペルーツなどが代表的かと思います。最近ではAlphaFoldの開発でノーベル化学賞を受賞したハサビス博士もイギリス出身だそうです。同じような島国なんだから、日本も誰かゲームチェンジャーが出てくると良いですけどね。

色々考えさせられる素晴らしい動画でした。

2024年11月24日日曜日

「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹著、文春文庫)を読み返して

高名かつ人気作家にして、著名なアマチュアランナーとしても知られる村上春樹氏の走ることに関する自伝的な作品です。自分が小説を書き始めたきっかけや、走り始めたきっかけ、走り続けることと創作の関係、記録が伸びないことへの葛藤などが赤裸々に綴られています。走る事について、とてもストイック取り組まれている様子が語られていて、こういうのを読んでしまうと、私などはランナーと自称して良いのかさえ悩むほどです。

創作にとって最も大事なものは才能だが、それはコントロールできない。そして次に重要なものが集中力と持続力で、それらは鍛錬によって強化可能であり、その作業は日々のジョギングによる鍛錬に類似している、という箇所があり、大いに参考になります。特に著名なミステリー作家のレイモンド・チャンドラー氏が語ったとされる、「たとえ何も書くことがなかったとしても、私は一日に何時間かは必ず机の前に座って、一人で意識を集中することにしている」という件は、とても説得力があるように感じました。私もレベルはかけ離れていても原稿や論文に追いかけられているので、こういう作業の重要性は実感します。ただ、同時に実践することの難しさも痛感しているので、凄いと感心するのみです。持続的に集中し続けるのは本当に気力が必要なので、ついつい実験や他の作業に逃げてしまうんですね。結果、研究とか哲学が薄っぺらいまま進化しないんですけど。

またこの本には小説を書き始めるきっかけとして、1978年4月1日に神宮球場で行われたヤクルト対広島戦のことが綴られています。何でも広島のデイブ・ヒルトンという選手がヒットを放った瞬間に、小説を書こうと思い立ったとか。先日、この選手が亡くなった際のネットニュースで、村上春樹氏に小説を書くインスピレーションを与えた選手が亡くなった、というような紹介をされていたのを記憶しています。










第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)を観戦して

本日、仙台で行われたクイーンズ駅伝をテレビで観戦しました。この駅伝は全6区間、合計42.195kmで争われる、女子の実業団の日本一を決める大会です。今年の優勝は、JP日本郵政グループ、2位が積水化学でした。昨年は積水化学が優勝、JP日本郵政グループが2位でしたので、JP日本郵政グループが雪辱を果たした結果となりました。

前評判としては、全ての区間で日本代表選手を擁する積水化学が有力とみられ、実際のレースも1区の田浦選手、2区の山本選手が連続で区間賞を獲得し、レースの序盤を優位に進めました。しかし3区で資生堂の五島選手がトップに、JP日本郵政グループの廣中選手が2位に上がり、積水化学が3位に下がります。すると、次の4区でJP日本郵政グループのカロライン選手がトップに上がり、積水化学の楠選手も2位にあがり、5区はJP日本郵政グループがトップ、積水化学が僅差の2位という状態が続き、最後の6区では一瞬積水化学の森選手がトップに立つのですが、JP日本郵政グループの太田選手が意地で首位を奪い返し、そのままゴールとなりました。

駅伝日本一を決める大会だけあって、高校駅伝や大学駅伝、日本選手権やオリンピックと様々な大会で名を馳せた選手が多数出場していて、大変見ごたえがありました。男女問わず、学生の時から見ている選手が社会人でも活躍していたりすると、年月を感じて感慨深いものがあります。

おらが故郷の日立は24チームの中で18位と少し残念な結果となってしまいましたが、地元の代表としてずっと応援しております。是非、今後も頑張ってほしいです。何人かの選手は来年1月の勝田マラソンには10キロの部で走ってくださると思うので、参加者の一人として、その雄姿を見たいと思います。

結果(総合順位)
1位:JP日本郵政グループ 2時間13分54秒
2位:積水化学 2時間14分21秒
3位:しまむら 2時間15分26秒
4位:パナソニック 2時間15分40秒
5位:エディオン 2時間15分50秒
6位:岩谷産業 2時間16分55秒
7位:第一生命グループ 2時間16分57秒
8位:資生堂 2時間17分00秒

結果(区間賞)
1区(7.0km):田浦英理歌選手(積水化学)21分46秒
2区(4.2km):山本有真選手(積水化学)12分56秒・区間新
3区(10.6km):五島莉乃選手(資生堂)33分17秒
4区(3.6km):H.エカラレ選手(豊田自動織機)10分59秒
5区(10.0km):細田あい選手(エディオン)32分29秒
6区(6.795km):太田琴菜選手(JP日本郵政グループ)21分02秒

2024年11月21日木曜日

三色彩道がようやく紅葉(日々の雑感)

大阪もめっきり秋が深まってまいりました。通勤時にみる三色彩道にあるモミジバフウも見事に色づいております。(見事に見えなかったら写真を撮る腕の問題です。すいません。)今年を振り返れば6月以降はひたすら暑かった思い出しかありません。折角、四季のある日本なのですから、この後はちゃんと寒くなってもらいたいものです。雪も少しは降って欲しいですね。


大相撲九州場所では熱戦が繰り広げられておりますが、元・横綱で相撲解説者だった北の富士勝昭さんが亡くなられたとのニュースにショックを受けました。北の富士さんのユーモアに富み、時に若手力士への𠮟咤激励のある解説が好きでした。同じく相撲解説者の舞の海さんとの軽妙な掛け合いも、とても楽しませていただきました。当時のNHKのテレビ放送の解説陣を思い出すと、初日や中日、千秋楽のような大事な日には、北の富士さんと舞の海さんのコンビだった印象があります。また、北の富士さんは大相撲の場所中には毎日、中日スポーツ(だったかな?)にコラムを寄稿されていて、それを読ませていただくのも楽しみの一つでした。その日の取り組みを振り返った後、いつも文章の最後には、その日の食事の様子が書かれていていました。関係者の方から送られた名産品だったり、取り寄せた逸品だったり、食材は変われども、いつもとても美味しそうで読みながら食欲がそそられました。もうそれも読めないのかと思うと残念でなりません。

大相撲と言えば、私の応援している鉄人・玉鷲関が勝ち越しました。この場所中には40歳を迎えましたが、まだまだ動きが若々しいです。彼の相撲は勝っても負けてもけれんみが無いというか清々しいです。40歳当日も見事に白星を挙げ、そのインタビューで三役復帰が目標と仰ってました。この目線の高さに感服した次第です。

2024年11月19日火曜日

コーヒーが値上がりしていて驚いた

先日、近所のイオンに買い物に行った際にコーヒーの値段が上がっていることに気づき驚きました。ネットで調べてみると、ベトナムやブラジルの天候不順やら円安やら色々な原因が出ておりましたが、何でもすぐに値上がりする世知辛い世の中ですね。私は仕事を始める前に、UCCの「職人の珈琲」を1杯入れるのが日課になっております。UCCの商品にはUCCコーヒークーポンというポイントが付いていて、これを集めると様々な商品と交換してもらえます。「職人の珈琲」は1セットで10ポイントですが、これが250ポイント貯まったので、先日GOLD SPECIAL PREMIUMというコーヒーの粉と変えてもらいました。異常気象がこのまま続くと、コーヒーが益々贅沢品になってしまいそうですが、息長く楽しめるようにコツコツ対策しております。


下の写真が、いつもお世話になっているUCCの「職人の珈琲」です。16袋入っています。1日1杯と決めているのですが、ついつい2杯飲んでしまう日もあり、消費が激しいです。

袋の後ろには10ポイントの表示があります。これを切り取って保存します。

切り取ると下のようなペラペラのセロハンになります。これを無くさないように大事に取っておきます。ポイントが貯まってきたら、UCCのサイトから貼り付ける台紙をプリントして、セロハンテープで貼っていきます。研究者生活で培ったコツコツ頑張る能力が発揮されます。


250ポイント収集という修行を経て、下の写真のコーヒー粉をいただきました。そしてこの袋にも10ポイントついています。


2024年11月15日金曜日

幕張メッセとZOZOマリンスタジアム

今年の始めになりますが、出張で幕張メッセに行きました。土地勘も無いのに、ろくに下調べせずに電車に乗った結果、誤ってJR総武線の幕張駅で降りてしまいました。慌てて駅員さんに伺ったところ、幕張メッセはJR京葉線の海浜幕張駅が最寄り駅で、幕張駅からそこまではバスが出ていると教えていただいたので無駄な出費をした挙句に何とか辿り着きました。三日間の学会だったのですが、夜は自由時間が多かったので、近くの海浜大通り沿いを毎晩5キロくらいジョギングしておりました。幕張メッセのすぐそばにはZOZOマリンスタジアムがあって、ライトアップしていて綺麗でした。また隣には高円宮記念JFA夢フィールドというサッカーの日本代表も練習で使うような立派な施設があって、夜も煌々と灯がついていたので走り易かったです。




2024年11月13日水曜日

年の瀬が近づいてきました(M-1グランプリと大相撲九州場所)

ネットニュースにM-1グランプリの話題が出るようになってきて、2024年も年の瀬が近づいてきたと感じています。昨日くらいからYouTubeのおすすめの動画でM-1グランプリ3回戦の様子が出てきました。誘惑に負けて、ついつい書き物をしながら見てしまい、BGMにならずに熱中してしまいます。昨日見た、ヤーレンズの3回戦のネタ(歯医者さん)がすごく面白かったです。昨年の決勝でみた2本のネタ(アパートの大家さんとラーメン屋さん)は今も鮮明に覚えているほど、衝撃を受けました。今年も楽しいネタを沢山見せてほしいです。

また大相撲九州場所も始まっています。「一年納めの九州場所」と良く言われます。今年は尊富士関や大の里関といった入門して間もない若者が大活躍した年ですが、その締めくくりとして今場所はどんな場所になるでしょうか。私の故郷、茨城県出身の武将山関、高安関には頑張ってほしいです。あと、初土俵以来の連続出場記録を更新し続けている鉄人・玉鷲関にも怪我無く頑張ってほしいです。そして何といっても故郷の茨城県にある二所ノ関部屋のホープであり新大関、大の里関の一層の活躍を祈りながらみております。

下は、1年くらい前に茨城県稲敷郡阿見町にある、二所ノ関部屋を遠目に見に行った時に撮った写真です。

2024年11月9日土曜日

阪大近くの三色彩道

今年は10月になっても暑い日が続いて、もう冬は来ないのではないかと思ったりもしましたが、11月になってやっと秋らしくなってきました。阪急北千里駅から阪大の吹田キャンパスに向かう途中に、三色彩道(さんしきさいどう)と名付けられたモミジバフウの並木道があります。この道は、この季節は紅葉でとても綺麗で、それを目当てに沢山の人達がカメラを片手に群がるのが毎年の光景となっています。今年は下記の写真のように、未だ見頃まで時間がかかりそうですが、カメラを持った人たちが少しずつ集まってきました。11月も中旬近くなりましたが、秋らしい光景が見られるようになって少しホッとしています。



2024年11月5日火曜日

2024年11月~2025年2月までのマラソンと駅伝の日程

冬と言えば駅伝やマラソンのハイシーズンです。この時期は、レースが目白押しで毎週どこかで何かのレースが開催されており、うっかりしていると気づかずに見逃してしまいます。今年はそのようなことの無いように、この後2024年11月から来年1月までの主要なマラソンと駅伝の日程を書いておこうと思います。100%、自分用です。駅伝・マラソン愛好家としては、1つ残らず見届けようと思います。


2024年

11月10日 東日本女子駅伝

東日本の都道府県対抗で行われる女子の駅伝大会。今年で最後となるフジテレビ系列で放送予定だが、残念ながら関西のテレビではやらない…。

11月24日 クイーンズ駅伝

女子実業団の日本一を決める大会。福岡で開催。10月に行われたプリンセス駅伝は、この大会の予選会。

12月1日 福岡国際マラソン、防府読売マラソン

どちらも歴史のあるマラソン大会。特に福岡国際マラソンは、かつて世界一決定戦とも呼ばれた格調高い大会。福岡国際マラソンはリアルタイムでテレビ放送あり、防府読売マラソンは録画の放送があり。

12月15日 全国中学駅伝

毎年、BSで放送あり。クロスカントリーのコースで行われる。先に女子の部が行われ、次に男子の部が行われる。

12月22日 全国高校駅伝

毎年、NHKで放送される、高校生の全国大会。午前が女子の部で距離はハーフマラソン(21.0975km)。午後が男子の部で、距離はフルマラソン(42.195km)。京都の西京極総合運動公園~京都国際会館をコースとしている。京都は学生時代の6年間を過ごした思い出の地で、良く知っている道がコースになっているので沿道の景色を見るのも個人的な楽しみ。

12月30日 富士山女子駅伝

正式名称は2024全日本大学女子選抜駅伝競走。文字通り、富士山の裾野を走る女子大学駅伝の2大タイトルの1つ。もう一つが10月に仙台で行われる全日本女子大学駅伝。ここ数年は愛知の名城大学が圧倒的な強さを誇っていたが、立命館大学が久しぶりに全日本のタイトルを奪還。この大会も勝って、2冠を達成するか、それとも名城大学が首位を死守するのか。あるいはシルバーコレクターと呼ばれてしまっている大東文化大学が、ついに栄光を掴むのか、が個人的な見どころ。


2025年

1月1日 ニューイヤー駅伝

元日の風物詩であり、男子実業団の駅伝日本一を決める伝統の大会。各地区予選を勝ち上がった実業団が上州、群馬に集結し、真剣勝負を繰り広げる。オリンピック選手をはじめ、箱根駅伝や全国高校駅伝を沸かせた選手たちが随所に登場し、長年の駅伝ファンである私は大興奮の大会です。昨年の優勝者であるトヨタ自動車が連覇するのか、それともあと一歩で優勝を逃したホンダが雪辱を果たすのか、それとも最多優勝回数を誇る九州の名門、旭化成が勝つのか注目です。

1月2~3日 箱根駅伝

言わずと知れたお正月の風物詩。正式名称は東京箱根間往復大学駅伝競走であり、東京の大手町から箱根の芦ノ湖までを片道5区間、往復で10区間に分けて、10人の走者が1本のタスキをつなぐレースです。主催は関東学生陸上競技連盟であり、連盟に加盟している大学の本来はローカルな大会でしたが、各種宣伝が功を奏して、すっかり全国区の大会になりました。私が見始めたのは、40年以上前の順天堂大学の4連覇のころで、それから毎年欠かさず、食い入るように見ています。事前にはネットでの情報収集はもちろんの事、書店などに並んでいる箱根駅伝特集号をみて、選手の名前や出身、記録の変遷などをインプットして臨みます。今年のみどころは、何といっても國學院大學の駅伝3冠なるか、それとも駒澤大学や青山学院大学が意地の優勝を果たすのか、というところでしょうか。近年、高速化の著しい大学駅伝で、どんな記録が生まれるのか楽しみです。

1月12日 全国都道府県対抗女子駅伝

毎年、京都で行われる都道府県対抗の女子の全国大会です。各県から選抜された中学生、高校生、大学生、社会人が走ります。NHKが放送してくれます。

1月21日 全国都道府県対抗男子駅伝

女子の都道府県対抗駅伝の次の週には男子の大会があります。これは広島で行われます。こちらも各県から選抜された中学生、高校生、大学生、社会人が走ります。これもNHKが放送してくれます。

1月26日 大阪国際女子マラソン

名前通り、大阪で行われる女子のマラソン大会です。海外から一流のランナーを招待し、国内でもトップレベルの選手が出場する大会です。大体、いつも勝田全国マラソンと日程が被るので録画で見ています。

2月2日 別府大分毎日マラソン、丸亀国際ハーフマラソン

どちらも国内の男子のトップレベルの選手が参加する大会です。海外から参加する選手のレベルも高いです。別府大分毎日マラソンは箱根駅伝を終えた大学生が挑戦することも多く、新戦力の台頭が期待される大会です。

また、丸亀国際ハーフマラソンでは、優勝者のタイムが例年1時間を切るなど、日本記録(1時間ジャスト)よりもレベルが高いです。海外選手や実業団のトップ選手に加えて、スピード自慢の大学生も多数参加する面白い大会です。

2024年11月3日日曜日

第56回全日本大学駅伝を観戦して

今年も楽しみにしていた、全日本大学駅伝をテレビ観戦しました。この駅伝は、愛知県の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までの全長106.8kmを8区間に分けて、昨年のシード校8校+全国の地区予選を勝ち上がった17校+2チームの学連選抜(日本学連選抜、東海学連選抜)の合計27チームが競うレースです。男子の学生駅伝としては、先月の出雲駅伝、正月の箱根駅伝と並ぶ学生3大駅伝の一つに数えられています。

今年の男子大学駅伝では、駒澤大学、青山学院大学、國學院大學が3強と呼ばれています。先月の出雲駅伝は國學院大學が優勝し、勢いに乗っています。しかし全日本大学駅伝は、駒澤大学が昨年まで4連覇を達成するなど、最も得意としています。また今年は3冠達成を目指していた青山学院大学も出雲駅伝からの巻き返しが期待されました。

レース序盤は、青山学院大学が2区と4区で区間賞を獲得するなど優位に立ってレースを進めました。しかし中盤の5区と6区で國學院大學が連続で区間賞を獲得して、青山学院大学を猛追し、最終8区で一騎打ちに持ち込み、最後は逆転で優勝しました。驚いたのは駒澤大学で、序盤の2区では残念ながら16位まで順位を落としましたが、3区以降から徐々に追い上げ、終盤の7区と8区で連続区間賞を獲得し、最後は青山学院大学もかわして2位でゴールしました。青山学院大学は先行逃げ切りのオーダーが途中まで嵌りましたが、他校を諦めさせるくらい離すことができず、徐々に貯金を吐き出す苦しい展開になってしまい3位でした。

大会のMVPは、脇腹の差し込みで痛そうにしながらも、6区の区間新記録を樹立し、青山学院大学の追い上げに貢献した、國學院大學の山本歩夢選手でした。個人的には、2区の鶴川選手が出雲に続く区間賞獲得や、4区の黒田選手の区間新記録樹立、7区の太田選手と平林選手の一騎打ちと篠原選手の意地の区間賞獲得、最後の8区の山川選手の2分差をひっくり返した脅威の追い上げなど、見所満載のレースでした。

これで國學院大學は3冠達成に向けて箱根駅伝を残すのみとなりました。悲願の3冠達成なるでしょうか。しかし箱根駅伝は青山学院大学が圧倒的に得意とする駅伝です。駒澤大学もチームの大黒柱ながら怪我で出雲駅伝と全日本大学駅伝を欠場していた佐藤選手が復帰予定です。他にも創価大学、城西大学、早稲田大学は出雲、全日本の両方でシード権を獲得するなど、安定した実力があります。(面白いことに出雲駅伝と全日本駅伝では1~6位まで同じ順番でした。)今年の駅伝シーズンも、最後までワクワクが止まりません。


結果のメモ

1位:國學院大學 5時間09分56秒

2位:駒澤大学 5時間10分24秒

3位:青山学院大学 5時間10分41秒

4位:創価大学 5時間13分17秒

5位:早稲田大学 5時間14分24秒

6位:城西大学 5時間14分47秒

7位:立教大学 5時間16分21秒

8位:帝京大学 5時間16分24秒


区間賞

1区(9.5km):平島龍斗選手、日本体育大学

2区(11.1km):鶴川正也選手、青山学院大学

3区(11.9km):ヴィクターキムタイ選手、城西大学

4区(11.8km):黒田朝日選手、青山学院大学

5区(12.4km):野中恒亨選手、國學院大學

6区(12.8km):山川歩夢選手、國學院大學

7区(17.6km):篠原倖太朗選手、駒澤大学

8区(19.7km):山川拓馬選手、駒澤大学

2024年11月2日土曜日

第9回 水戸黄門漫遊マラソンに参加して(7回目のフルマラソン完走!)

10月27日の日曜日に私の故郷、茨城県水戸市で行われた第9回・水戸黄門漫遊マラソンに参加してきました。これが7回目のフルマラソンで、水戸黄門漫遊マラソンは昨年に続き、3回目の挑戦です。前日の土曜日は昼まで研究室のセミナーがあったので、そこから大急ぎで新幹線に乗って帰郷しました。道中、新大阪駅で図らずもドクターイエローに遭遇しました。良い事ありそうです。


夜にひたちなか市に到着して、実家で一泊し、次の日は朝7時過ぎの電車でJR水戸駅に向かいました。スタートの2時間前でしたが、駅のホームはランナーで溢れかえっていました。水戸駅の西口を出ると、水戸市立三の丸小学校に向かい、そこで着替えとトイレを済ませると、あっという間に集合時間になってしまったのでスタートラインに整列です。私のようなヘタレランナーは万年Eブロックとして最後尾に並ぶので、はっきり言ってスタートラインは全く見えません。スタートの号砲が鳴ってからも、スタートラインに到達するのに今年は5分かかりました。これでも短い方だと思います。実は、昨年のこのレースで後半ずっと歩いてしまい、ゴールが制限時間(6時間)ギリギリになってしまいました。そこで今年のレースプランは、下記の三段階で設定しました。

第1段階:25キロまで、ややゆっくり走って、そこからは歩いたり走ったりを繰り返す、

第2段階:もし第1段階が到達出来たら、27キロの水戸市河和田町の50号バイパスまで走って、そこから歩いたり走ったりを繰り返す

第3段階:もし第2段階も到達出来たら、30キロの水戸市見川町まで走って、そこから歩いたり走ったりを繰り返す

結果としては、1キロ6分30秒弱のヘタレペースで入ったおかげか、上記の3段階の想定を越えて足が35キロまでは何とか持ちました。途中、6キロ付近(茨城県庁付近)でNHKのランスマ倶楽部の番組企画で還暦フルマラソンに挑戦されていた増田明美さんをお見掛けしました。テレビのクルーに囲まれながらも周りのランナーの方々と声を掛け合っていました。

またゲストで参加されているインフルエンサーのお姉さん達にも何度か抜きつ抜かれつしました。彼女たちは周囲のランナーやエイドの方々に色々声掛けをされていましたが、それだけ余分に動いているにもかかわらず、皆さん健脚で最後の38キロ付近ではついに置いて行かれました。下の写真は梅香トンネルの直前に置いてあった、巨大みとちゃんテントです。40キロ付近の梅香トンネルでは会場整備の高校生やチアリーディング部の人達が応援してくれて、オジサンはとても感動しまして、一瞬ですが滅茶苦茶パワーが出ました(39~40キロだけ1キロ6分10秒で走破)。最後は、自動車でも上るのが困難な水戸市気象台の急坂を歩いて登り、そこからはほとんど歩いて何とかゴール。ネットタイム(スタートラインをまたいでから、ゴールラインをまたぐまでの時間)は4時間59分32秒とギリギリ5時間切りでした。


ゴールの旧県庁では、印籠メダルをかけていただき、ヤクルトやうまい棒、塩まんじゅうなど色々いただきました。一番うれしかったのは、レッドブルを1本タダでいただけたことでした。その後、旧県庁の前で着替えたりしていると、ランスマ俱楽部の撮影スタッフや増田明美さん、井上咲楽さんが建物を出入りされていました。どうやらここを撮影の控室に使われていたようです。


これで7回目のフルマラソンも何とか完走できました。私は全然速くないのですが、マラソンは楽しいです。レースの途中で、自分の体調や残りの体力、足の筋力、周囲の天候などを考えながら自分をマネジメントするのが醍醐味だと思っています。


今回のオジサンの平凡な記録は下記のような感じでした。やはり25キロを過ぎると、徐々に動かなくなっていくのが良くわかります。本当は、もっと練習しないといけないのですが、裁量労働と言う名の悪制によって…、いや、言い訳はダメですね。次に向かって精進します。

距離42.195 km
タイム(グロス)5:05:12
タイム(ネット)4:59:32
タイムリスト
計測ポイントスプリットラップ
Start00:05:40
5km00:39:150:33:35
10km01:11:110:31:56
15km01:43:020:31:51
20km02:15:510:32:49
中間02:23:14
25km02:48:420:32:51
30km03:22:480:34:06
35km04:02:400:39:52
40km04:45:310:42:51
Finish05:05:120:19:41


最後に今年のTシャツは下のような感じです。個人的にはカッコイイと思っています。背中側(下の写真)の中心部分に描かれている細長い建物は千波湖からみた水戸市芸術館のタワーだそうです。




2024年10月29日火曜日

第42回全日本大学女子駅伝を観戦して

駅伝愛好家として、10月27日に仙台市で行われた全日本大学女子駅伝をテレビ観戦しました。この駅伝は、6区間、合計38キロメートルを、シード校8校と各地区の予選を勝ち上がってきた17チーム+オープン参加の東北学連選抜の合計26チームが争う、大学日本一を決める大会です。戦前の注目は何といっても7連覇中の名城大学が8連覇を達成するのか、それとも立命館大学や大東文化大学、日本体育大学などが王座を奪取するのかでした。

結果は、強豪・立命館大学が2015年以来、9年ぶりに王座奪還を果たしました。全6区間のうち、区間賞が3区間(2区・山本選手、3区・村松選手、6区・土屋選手)を占め、そのうち2区と3区は区間新記録という、まさに圧勝でした。2位は大東文化大学で、こちらも区間賞が3区間(1区・野田選手、4区・蔦野選手、5区・ワンジル選手)を占めたのですが、あと一歩およびませんでした。大東文化大学はこれまでも2位が多かったのですが、今回も悲願の初優勝には届きませんでした。城西大学は1~3年生で臨んだ編成で全員区間1桁順位で好走しており、来年へ期待が持てる3位でした。驚いたのが7連覇中だった名城大学で、区間賞はなく、アンカーの谷本選手が流石の追い上げを見せたのですが残念ながら4位という結果でした。一年ごとに選手の顔ぶれが大きく変わる大学スポーツで勝ち続ける難しさを見た気がします。

駅伝は一人の遅れが、全体の遅れに直結するので、ケガなどで上手くピーキング出来ないと精神的に大変だろうと思いました。戦前の前評判が高かった選手やチームが今回の大会で必ずしも実力を発揮できたわけではないと思いますが、気持ちを切り替えて次の大会へ向けて頑張ってほしいと部外者の駅伝好きオジサンは切に思います。


総合成績メモ

1位:立命館大学 2時間03分03秒(大会新)

2位:大東文化大学 2時間04分06秒(大会新)

3位:城西大学 2時間05分41秒

4位:名城大学 2時間06分02秒

5位:東北福祉大学 2時間06分23秒

6位:大阪学院大学 2時間06分43秒

7位:拓殖大学 2時間06分48秒

8位:筑波大学 2時間08分10秒

(以上、来年のシード権獲得)

9位:日本体育大学 2時間08分22秒


区間賞メモ

1区(6.6キロ):野田真理耶(大東文化大学2年)21分11秒(区間新記録)

2区(4.0キロ):山本釉未(立命館大学1年)12分41秒(区間新記録)

3区(5.8キロ):村松灯(立命館大学4年)18分45秒(区間新記録)

4区(4.8キロ):蔦野萌々香(大東文化大学2年)15分42秒

5区(9.2キロ):サラ ワンジル(大東文化大学2年)28分51秒

6区(7.6キロ):土屋舞琴(立命館大学4年)24分58秒

2024年10月26日土曜日

「アイディアのつくり方」(ジェームス・W・ヤング著、今井茂雄訳、阪急コミュニケーションズ)を読んで

著者のジェームス・W・ヤングは広告業界で長い間顕著な業績を上げた方で、自分の方法論を簡潔にまとめた読み物です。コピーライターとして、新しいネタを考える過程を下記の5段階に分けて、それぞれをわかりやすく解説しています。


1.資料を集める

  一般的資料、日常的にやること、スクラップブックの作成が便利

  特殊資料、特定のテーマについてやること、カード索引法が便利

2.資料を咀嚼する

  部分的なアイディアを書き留める

3.資料を組み合わせる。(無意識の作業)

4.アイディアの誕生

5.生まれたアイディアを批判、検討する


私が心に響いた箇所は、第1段階の特殊資料を集める際の下記の記述です。(下線は私が特に重要と思った場所です)

『製品とその消費者についての身近な知識を手に入れることについてこれまで何度も言い古されてきた話の真意とはこのことである。私たちは大抵この知識を収得する過程であまりに早く中止してしまう。表面的な相違がほとんど目立たないような場合、そこには何ら相違点がないとすぐにきめてしまう。しかし、十分深く、あるいは遠くまで掘り下げていけばほとんどあらゆる場合、すべての製品とある種の消費者との間に、アイデアを生むかもしれない関係の特殊性が見つかるものなのだ。』この文章の後に、一見すると何の変哲もない石鹸について、分厚い本が書けるくらい深く追求した結果、5年間広告に使えるだけのコピーのアイディアを出すことができたとありました。

私は研究の申請書作成がやや苦手で、研究の魅力を上手く伝えることに苦労しております。特に、類似の研究が既に数多くなされているなかで、自分の研究の差別化という所が本当に苦手です。そういうところに上記の記述が応用できないかと思いました。

ちなみに、この本の解説は竹内均先生。竹内先生は地学を専門とする東大名誉教授にして科学雑誌Newtonの初代編集長で、昭和の科学少年にはお馴染みの人物です。本文と同じくらいの長さで自分の仕事術を紹介してくれています。竹内先生は東大を退官してから亡くなるまでの二十年間に300冊近くの書籍を出されています。その仕事術は、本文の方法と酷似していたということで、仕事の種類は違えども仕事の仕方は共通しているという話でした。



2024年10月21日月曜日

今年のプリンセス駅伝を観戦して

箱根駅伝の予選会の次の日は、第10回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(通称:プリンセス駅伝)をテレビ観戦しました。この駅伝は女子実業団の対抗戦で、11月に行われる全日本実業団女子駅伝(通称:クイーンズ駅伝)の予選会を兼ねて、全6区間、合計42.195kmで行われるレースです。このレースの上位16チームと昨年のクイーンズ駅伝の上位8チームが、今年のクイーンズ駅伝に参加できます。我が故郷からは日立がいつもエントリーしており、陰ながら応援しております。

この日も、昨日の箱根駅伝の予選会と同様に気温が高く、レース直前で気温20℃、湿度62%、風速7m/sと駅伝には過酷なコンディションでした。レースの序盤は順位が目まぐるしく変わる展開でしたが、インターナショナル区間でユニクロがトップに立つと、その順位を最後まで守り切りトップでゴールしました。2位は最終区間で樺沢和佳奈選手が驚異の追い上げを見せた三井住友海上でした。我らが日立は1区で20位と予選圏外からのスタートでしたが、徐々に追い上げて最終8位でフィニッシュし、クイーンズ駅伝への出場権を獲得しました。特に、5区の鈴木千晴選手と6区の花野桃子選手が、共に区間3位と素晴らしい走りを見せてくれて、次のクイーンズ駅伝も期待させてくれる内容でした。

昨日の箱根駅伝の予選会と同様にフラフラになってしまう選手も散見され、暑さはレースの天敵だと実感しました。来週の全日本大学女子駅伝はどうなるのでしょうか。


結果の抜粋(総合順位)

1位:ユニクロ 2時間19分16秒

2位:三井住友海上 2時間19分23秒

3位:エディオン 2時間19分52秒

4位:シスメックス 2時間19分54秒

5位:豊田自動織機 2時間20分16秒

6位:大塚製薬 2時間20分31秒

7位:しまむら 2時間20分37秒

8位:日立 2時間20分44秒

9位:肥後銀行 2時間21分08秒

10位:京セラ 2時間21分20秒

11位:東京メトロ 2時間21分57秒

12位:ニトリ 2時間22分00秒

13位:ルートインホテルズ 2時間22分02秒

14位:ベアーズ 2時間22分09秒

15位:スターツ 2時間22分17秒

16位:デンソー 2時間22分29秒

(ここまでがクイーンズ駅伝の出場権を獲得)

17位:ダイソー 2時間23分05秒


区間賞

1区 (7.0km) 伊澤菜々花(スターツ)  22分33秒

2区 (3.6km) 後藤夢(ユニクロ)    11分13秒

3区 (10.7km) 矢田みくに(エディオン) 34分15秒

4区 (3.8km) アグネス・ムカリ(京セラ)11分19秒(区間タイ記録)

5区 (10.4km) 棚池穂乃香(大塚製薬)  35分21秒

6区 (6.695km) 樺沢和佳奈(三井住友海上)21分29秒


2024年10月20日日曜日

第101回箱根駅伝予選会をみて

今年も箱根駅伝の予選会をテレビですが観戦しました。今年は午前9時の時点で気温が23.2℃もあり、かなり気象条件が悪く、選手の方々は大変だったのではないかと思いました。そのせいかスローペースで流れたにもかかわらず、皆さん大量の汗をかいており、本調子ではないようにみえました。全体トップは日本大学のキップケメイ選手で、記録は60分59秒、日本人選手のトップは中央学院大学の吉田礼志選手で記録は63分29秒でした。吉田選手は昨年も留学生に果敢に挑み、日本人選手では東農大の前田選手に次ぐ2位でしたが、今年は日本人選手トップ、全体でも10位でゴールしました。大学としてのトップ通過は立教大学でした。チーム内の10番目のタイムの選手でも全体137位(66分25秒)と非常に安定しているようにみえました。上野監督の跡を継いだ高林監督の指導が実を結んだのかなと素人ながらに思います。残念だったのは11位で本選出場を逃した東京農業大学で、10位の順天堂大学との差はわずか1秒で、1人あたり0.1秒と僅差でした。この辺りは各大学間の実力が非常に均衡していると感じます。今回は明治大学や国士舘大学、東海大学などの常連校も本選出場を逃しました。特に、東海大学は体調を崩してゴールできなかった学生さんもいて、つらいだろうと思います。箱根駅伝に挑むような長距離陸上選手は、今や月間1000キロにも及ぶ走り込みをしてギリギリの調整をしているので、気象条件や体調、メンタルなど、ちょっと歯車が狂うとああいう感じになってしまうのかと思います。ともあれ、これで正月の本選に出場するメンバーが決まったので、本選を楽しみに待ちたいと思います。

結果の抜粋

1位:立教大学 10時間52分36秒

2位:専修大学 10時間53分39秒

3位:山梨学院大学 10時間54分6秒

4位:日本体育大学 10時間55分58秒

5位:中央学院大学 10時間56分1秒

6位:中央大学 10時間56分3秒

7位:日本大学 10時間56分53秒

8位:東京国際大学 10時間58分53秒

9位:神奈川大学 10時間59分12秒

10位:順天堂大学 11時間1分25秒

(ここまで本選出場)

11位:東京農業大学 11時間1分26秒

12位:明治大学 11時間2分24秒

13位:国士舘大学 11時間2分40秒

14位:東海大学 11時間3分39秒

15位:流通経済大学 11時間5分11秒

16位:駿河台大学 11時間9分10秒

17位:麗澤大学 11時間12分5秒

18位:筑波大学 11時間12分17秒

2024年10月16日水曜日

第101回箱根駅伝予選会に向けて、去年の復習と勝手な展望

今週の土曜日、19日に箱根駅伝の予選会(正式名称:第101回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会)が東京の立川駐屯地で行われます。参加する大学は、各校10~14名でチームを作り、ハーフマラソン(21.0975km)を走って、上位10名の合計タイムで競います。今回は、タイムの上位10校が来年正月の箱根駅伝の本選に出場できます。

ちなみに第100回箱根駅伝の本選の結果は下記の通りでした。

シード校

1位:青山学院大学、2位:駒澤大学、3位:城西大学

4位:東洋大学、5位:國學院大學、6位:法政大学

7位:早稲田大学、8位:創価大学、9位:帝京大学

10位:大東文化大学

シード外

11位:東海大学、12位:国士舘大学、13位:中央大学

14位:立教大学、15位:日本大学、16位:日本体育大学

17位:順天堂大学、18位:駿河台大学、19位:中央学院大学

20位:明治大学、21位:神奈川大学、22位:東京農業大学

23位:山梨学院大学


第100回大会は記念大会だったので枠が広がり23チームが参加したのですが、次の第101回大会は通常通り20チーム+学連選抜になるため、前回本選に出たチームから少なくとも3チームは予選敗退になってしまいます。しかも前回優勝候補に挙げられながら、集団インフルでよもやの13位に沈んでしまった中央大学や、戦前は本選でも上位が予想されていた明治大学などの強豪校が予選会から参加するので、かなりレベルが高くなるのではと期待されます。こうした本選参加組に対して、私の地元の筑波大学や初出場を目指す麗澤大学などがどんな走りをするのかにも注目しています。個人的には、5月の日本選手権男子1万メートルで強烈なインパクトを残した東農大の前田和摩選手がエントリーされていないとニュースで見たので心配しております。例年の予選会は、上位グループが桁違いのスピードを持つ留学生選手で固まってしまうのですが、昨年は前田選手らが果敢に彼らに挑戦していて感動しました。今年もそんなチャレンジする日本人選手たちの姿が見たいです。

とはいえ、関西では地上波の放送は無し。最速で夜7時~9時のBS日テレか、少し待って翌20日の午後2時から日テレジータスの放送を待つしかありません。関東では日本テレビが放送してくれるのだから、関西も系列局である読売テレビで放送してほしかったです。土曜日はどうせ出勤なので、仕事中はなるべくネットに触れないようにしようと思います。

2024年10月14日月曜日

第36回・出雲駅伝が面白かった

今年の大学駅伝シーズンの開幕戦、出雲駅伝が本日行われました。結果は、國學院大學の優勝でしたが、今年のレースも見どころ満載でした。

まず優勝候補筆頭とネットニュースで挙げられていた青山学院大学は惜しくも3位でした。1区の鶴川正也選手が区間賞の走りでしたが、レース序盤が集団走になってしまい、有力校が互いに牽制した展開になったのが、個人的には勿体ないと思いました。もっと誰かが飛び出すような展開になっていれば、各校のふるい落としが早めに始まって、以降の2区、3区で大きく引き離す展開になったかもしれません。今回は青山学院大学、駒澤大学、國學院大學、創価大学などが終盤まで僅差で行ったために、青山学院大学が得意とする単独走に持ち込めなかったのが残念でした。

続いて、昨年の出雲駅伝と全日本駅伝を制した駒澤大学が2位でした。篠原倖太朗選手と並ぶチームの大黒柱であった佐藤圭汰選手がアメリカのボルダーで行われた合宿でケガをしてしまったとのことでエントリーされず、個人的にはもっと苦しい展開になるかと思っていました。しかし、流石の層の厚さが発揮されての2位でした。アンカーの篠原選手は残念ながら平林選手に競り負けてしまいましたが、青山学院大学の太田選手と同タイムでの区間3位は立派だと思いました。駒澤大学が得意とする全日本駅伝には佐藤選手もエントリーされているので、次戦は期待できるのではないかと思います。

優勝した國學院大學は、4区の野中恒亨選手、5区の上原琉翔選手、6区の平林清澄選手の後半3区間で連続区間賞を出す圧巻の走りでした。特に平林選手は、アンカー対決で自分よりスピードのある篠原選手と一騎打ちになったときに、冷静に勝機を逃さずに勝ち切ったのが素晴らしかったです。今年の大阪マラソンの時も、実業団選手を相手に果敢に勝負を仕掛けて優勝し、初マラソン日本記録および学生最高記録を樹立しただけあって、勝負勘に優れていると思いました。

上位三校は全員が区間6位以内でまとめられており、実力の拮抗した良いレースでした。以上、駅伝鑑賞歴40年のオジサンの勝手な感想でした。次は19日の箱根駅伝予選会ですね。どんな戦いになるのか楽しみです。


上位3校の結果(選手名は敬称略です)

1位:國學院大學 2時間9分24秒

  青木(区間3位)、山本(区間5位)、辻原(区間4位)、野中(区間1位)、上原(区間1位)、平林(区間1位)

2位:駒澤大学 2時間10分4秒

  桑田(区間6位)、帰山(区間4位)、山川(区間2位)、伊藤(区間3位)、島子(区間2位)、篠原(区間3位)

3位:青山学院大学 2時間10分24秒

  鶴川(区間1位)、野村(区間6位)、黒田(区間3位)、宇田川(区間5位)、若林(区間5位)、太田(区間3位)


2024年秋期のアニメ(ブルーロック、チ。地球の運動について)をみて

10月期も魅力的なアニメが続々とはじまりました。私は、「ブルーロック VS. U-20 Japan」と「チ。ー地球の運動についてー」を見ています。特にブルーロックは待ちに待った第2期ということで期待しております。やはり青春スポーツものは構図がわかりやすくて良いですね。見ていると、仕事でコチコチに凝り固まったアタマが気持ちよくほぐれていく気がします。個人的には、主人公の潔与一くんが強すぎないのが好きです。彼の武器が空間認識能力とオフザボール、ダイレクトボレーシュートという、他者の貢献なくしては成立しないのも良いです。直近の第2話の最後に覚醒を予感させてくれているので次回が楽しみです。

「チ。ー地球の運動についてー」については、これまで本屋さんに単行本が並んでいるのは何度も見ていたのですが、内容は全然知りませんでした。今回、NHKで放送されているのを見て、第1話から引き込まれました。さらに直近の第3話が、あんな展開になるとは驚きました。こちらも早く次の話が見たいです。




2024年10月13日日曜日

キングオブコント2024が面白かった

昨日は年に一度のお楽しみ、キングオブコントをテレビで見ました。今年も面白かったです。私はシュールなネタが好きなので、富安四発太鼓とか頭を丸坊主にした熱狂的ジュビロ磐田サポーターの女性とかの設定がツボでした。M-1、The Second、R-1などなど賞レースはついつい見てしまいます。今や沢山の芸人の方が賞レースにストイックに向き合っていて、昭和の破天荒を売りにしていた時代をテレビで見ていたものとして感心します。キングオブコントも、参加されている全ての芸人さんから強い意気込みがひしひしと伝わってきて、アスリートのような雰囲気を感じます。どの世界も生き残るのは大変ですね。個人的には、どこかに何もしないでも暮らしていける、安住の地があると良いのですが…。残念ながらそんな場所は無いのですね。


結果

1.ラブレターズ:475+472=947点

2.ロングコートダディ:475+471=946点

3.ファイヤーサンダー:476+469=945点

4.や団:474点

5.シティホテル3号室:471点

6.ダンビラムーチョ:469点

7.ニッポンの社長:468点

7.cacao:468点

9.コットン:461点

10.隣人:458点

2024年10月10日木曜日

今年のノーベル化学賞について思ったこと

今年(2024年)のノーベル化学賞には、蛋白質工学の大家であるワシントン大学のDavid Baker教授、AIを用いた蛋白質の立体構造予測ソフトウェアAlphaFoldの開発者であるDeepMind社のDemis Hassabis氏、John Jumper氏の三氏が選ばれました。

David Baker教授は小生と年齢がそれほど変わらないのですが、私が学位を取って何とかポスドク研究員になった時には、既に教授としてNature誌やScience誌に続々と論文を発表されていました。特にDe novoにおける人工的な蛋白質デザインのセンスが素晴らしく、最近では天然には存在しない人工の機能性蛋白質を一から創出されています。この手の蛋白質工学的な仕事をする人は昔から沢山いるのですが、(自省的な意味を込めて言いますが)ともすると自己満足に陥りがちで、他の分野の生物学者を満足させる研究にはなりにくい印象があります。しかしDavid Baker教授の仕事は洗練されていて生物学的意義も大きく、いつも感心させられます。

また蛋白質の立体構造予測のソフトウェアであるAlphaFoldですが、このソフトウェアが出る前後では構造生物学分野の状況が一変したと言っても過言ではない、本当に革命的なソフトウェアです。小生は実験を生業にしている構造生物学者ですが、AlphaFold以前の立体構造予測と言ったら、難しい理屈を並べた割には実に頼りないもので、その精度は信頼できるものではありませんでした。それ故に、無いよりまし”Better than Nothing”的な扱いだったと思います。それが、2020年にAlphaFold2が発表されるや否やその精度の高い予測で一大センセーションを巻き起こしました。現在もどんどん改良が続いており、新しい地平を切り拓いた偉業であることは間違いないと思います。驚くべきは、Demis Hassabis氏は2016年に囲碁の世界チャンピオンを破ったソフトウェア、AlphaGoの開発者でもあることです。当時、チェスよりも遥かに複雑なプロセスを必要とする囲碁は強力なソフトウェアを開発するのが難しいとされていましたが、AlphaGoによってその固定観念が打ち破られました。凄い人は色々な方面で世界を動かすのだと感心します。


余談ですが、私はくじらやで夕食を食べた後は阪大吹田キャンパス内を散歩するのが日課なのですが、昨日は大阪大学の本部裏の駐車場にテレビの中継車と思しき車が止まっているのを見かけました。こうした光景は、過去に在籍した理化学研究所でも東京大学でもこの季節になると見られました。もし受賞者がいれば、即座に取材しないといけないですし、それ以外の場合でも受賞内容について解説のための映像を取らないといけないですから、マスコミの方も、それに対応する広報の方も忙しいのだと推測されます。以前、受賞の候補に挙がった先生からお聞きしたのですが、ノーベル賞の発表はかなり直前なのだそうです。それ故に、受賞が有力視されている先生が在籍されている研究機関では、いざという時に備えて事務担当者は毎年スタンバイしていると聞きました。受賞した人、逃した人、周囲の人、それぞれこの季節には色々なドラマがあるのだと思いました。

2024年10月9日水曜日

「チーズはどこへ消えた?」VS「バターはどこへ溶けた?」

チーズはどこへ消えた?(スペンサージョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社)

バターはどこへ溶けた?(ディーンリップルウッド著、道出版)

どちらも昔ブックオフの100円コーナーで買った本ですが、久しぶりに読み返してみました。といっても、どちらも100頁も無いので、30分もあれば読み終えました。2冊の本は、共に簡単な寓話を通して人生訓を伝えようとしているのですが、メッセージは対極にあります。
「チーズ~」では、2匹のネズミと2人の小人が登場します。彼らは毎日迷路の中を好物のチーズを探して彷徨っているのですが、ある時に一緒に大量のチーズを見つけます。チーズはネズミにとっては、ただの食料ですが、小人としては自己実現の証でした。小人たちは自分たちの人生が達成されたと思い、迷路の探索を止めて、チーズの傍に安住します。しかし徐々にチーズは減っていき、ついになくなってしまいました。ネズミたちはチーズが無くなると、次のチーズを求めて再び迷路に繰り出しますが、小人たちは大きなショックを受けてしまいます。すっかり落ち着いてしまった彼らは変化を恐れて立ちすくむのです。しかし、やがて自らの足で再び迷路に繰り出して…というのがあらすじです。要するに状況は時々刻々と変わるので、自分たちも進んで変わらないといけませんね、とのことだと思います。
一方、「バター~」では、2匹の狐と2匹の猫が登場します。彼らはそれぞれ森の中で好物のバターを探しています。ある時、狐と猫が一緒に森のペンションで大量のバターをみつけます。バターを見つけて以降、狡猾な狐とは対照的に、猫はものぐさでペンションに住み着いて、日がな一日ゴロゴロしだします。そのうちバターがなくなると、2匹の狐は直ぐに行動を開始して、森へ探索に向かいます。猫のうちの1匹は最初はペンションでゴロゴロしているのですが、徐々に不安になり狐を見習って森へと繰り出します。しかし残る1匹の猫はいつまで経っても泰然自若として動きません。やがて狐たちは新しいバターを見つけるのですが、森へ飛び出した猫は狐に騙されてバターを見つけられません。その猫は這う這うの体でペンションまで戻ると、残った猫は相変わらず伸びたり縮んだりしています。しかし何と人間に飼われたことでバターにありついていました。そのうち狐たちは人間の狩人によって…というのがあらすじです。ありふれた幸せを大事にして、時の流れに身をまかせる、という事なのかと思いました。
何度も転職している下っ端研究者としては、転職のたびに仕事の内容も生活も強制的に変わらざるを得ないので、チーズ型の人生を歩んでいるような気がします(ポジティブに望んではいないけど)。ただ、バター型の肩ひじを張らずにあるがままの人生を生きてきたら今頃どうなっていたのかと遠い目で空想するようなこともあります。しかし残念ながら現実感が無いように感じました。う~ん、難しい。200円で少し人生を考えました。





「風が強く吹いている」(三浦しをん著、新潮文庫)を読んで

やっと暑さが一段落し、今年も駅伝シーズンが到来しました。私のような長距離陸上好きにはワクワクする毎日の始まりです。

今年の大学3大駅伝では、どこが優勝するのでしょうか。前評判通り青山学院大学が有利なのでしょうか。それとも駒澤大学でしょうか。或いは今年の大阪マラソン優勝の平林選手擁する國學院大學でしょうか。他の有力校、有力選手はどんな記録を出すのでしょうか。

まずは10月14日に出雲駅伝があります。距離の短い出雲駅伝では、ちょっとしたプランの狂いで思わぬ展開になったりするので最初から最後まで目が離せません。それが終わると10月19日に第101回箱根駅伝の予選会があり、11月4日に全日本大学駅伝があります。

また、女子に向けると、全日本大学女子駅伝や富士山女子駅伝で今年こそ名城大学の牙城を崩す大学は現れるのでしょうか。それとも名城大学が全日本7連覇、富士山女子駅伝7連覇という、とんでもない大記録を達成するのでしょうか。全日本大学女子駅伝が10月27日、富士山女子駅伝が12月30日です。

それ以外にも10月20日の女子実業団のプリンセス駅伝、11月24日のクイーンズ駅伝、12月1日の福岡国際マラソン、12月22日の全国高校駅伝などほぼ毎週何かしらのレースがあるのでこれから楽しみです。


前置きが長くなってしまいましたが、先日「風が強く吹いている(三浦しをん著、新潮文庫)」を読了しました。この物語の主人公である蔵橋走(くらはし・かける)は、高校時代は陸上界で注目されたランナーでしたが、周囲と馴染めず陸上を諦めて東京の寛政大学に進学します。一方、清瀬灰二(きよせ・はいじ)はかつて名ランナーでしたが、足のケガを抱え寛政大学の竹青荘(ちくせいそう)という、ボロボロの学生寮に住み、雌伏の時を過ごしています。走はふとしたきっかけで清瀬と出会い、誘われるままに竹青荘に住むこととなります。竹青荘には、寛政大学の個性的な若者達が住んでおり、走が来たことでちょうど人数が10人になりました。そこで清瀬は温めていた箱根駅伝出場という夢を披露し、紆余曲折を経ながらも、皆で一致団結して箱根駅伝の予選会および本選に挑む、というストーリーです。ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、ストレートな青春群像劇で面白かったです。グーグルで見ると、「他の人はこちらも検索」にありえない、と言うワードが出てきますが、小説だから別にいいじゃん、と感じました。自分もこんな素敵な仲間と完全燃焼できるような体験がしてみたかったです。あと、ヘタレランナーの1人として、一度でイイから主人公の蔵橋くんのような走りをしてみたかった。



「カグラバチ」(外薗健著、ジャンプコミックス)第4巻が面白かった

カグラバチの4巻が出たので、早速買って読みました。とても面白くて、一気に3回繰り返して読みました。まさか弱虫だったハクリくんが…。カグラバチは、1巻が出たときに本屋さんで試し読み用の小冊子を読んで以来、ハマっています。

この漫画の時代背景は、国中を巻き込んだ斉廷戦争(せいていせんそう)の終結から十五年後の日本。その戦争は強大な力を持つ6本の”妖刀”の活躍によって終えることができた。その妖刀を産み出した刀鍛冶が六平国重(ろくひら・くにしげ)という人物で、主人公の六平千紘(ろくひら・ちひろ)の父である。六平国重、千紘親子は戦争終結後、6本の妖刀と共に人里離れた家でひっそりと暮らしていた。しかし、ある日謎の妖術師集団・毘灼(ひしゃく)の襲撃を受けて、国重が殺され、千紘も顔に大きな傷を受ける。そして大切に保管していた6本の妖刀も全て奪われてしまう。生き残った六平千紘は、父親が最後に作り、身を挺して守り通した7本目の妖刀・淵天(えんてん)を携え、奪われた妖刀の奪還と謎の組織の殲滅をはかる、という復讐譚です。やっぱり刀がメインのバトル漫画は良いですね。週刊少年ジャンプに掲載された刀のマンガと言えば、小さい頃は「風魔の小次郎」に熱くなり、社会人になってからは「BLEACH」に厨二心が揺さぶられ、最近だと「鬼滅の刃」をこっそり集めてました。

カグラバチは今年の「次にくるマンガ大賞」の第1位を受賞されたので、今後は益々メジャーになっていくのだと思いますが、変なストーリーの引き延ばしとかスピンオフ用の伏線とか無しで作者の思いのままに進んでほしいです。






2024年9月27日金曜日

私の心に残る空耳アワー作品

 最近は原稿の締め切りに追いかけられているのですが、そういう時に限って邪念が湧いてきます。もう番組自体が大分昔に終わってしまいましたが、大好きだったタモリ俱楽部の空耳アワーの名シーンは今も鮮明に覚えていて、それが頭の中をループしています。折角なので思い出に残る空耳を感想と共に書いてみました。


セルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)/風変わりな少年(I'm the boy)

(空耳)お客さんに嫌われるぞ

(対応する歌詞)Le garçon qui a le don

空耳映像:高級なスーツを着た体格の良い中年の紳士がレトロな喫茶店に入り、テーブルに座る。応対に来たウエイトレスの女性は、不機嫌な表情のまま、お冷をテーブルに叩きつけ、おしぼりを投げてよこす。見かねた紳士が立ち上がり、女性に諭すように話しかける「お客さんに嫌われるぞ」

感想:曲の雰囲気と映像が完璧にマッチしています。番組で安齋肇さんも仰ってましたが空耳の部分の声色がいかにも紳士が感情を抑えて説得するように聞こえます。ジャンパーを獲得する作品であるのも納得です。ちなみに空耳のフランス語の歌詞の意味は、”才能ある少年”、だそうです。しかし日本語では説教しているようにしか聞こえません。


The Who / Now I'm a Farmer

(空耳)ごっつ遠いね

(対応する歌詞)Gourds, Pineapple

空耳映像:最初にいかにも大阪の建物(通天閣だったかな?)が移り、出張でやってきた感じのスーツ姿の若いサラリーマンが手書きの地図を片手に町をウロウロしている。どうやら目的地が見つからない様子。そこで近くにいた小学生くらいの男の子に道案内をお願いすると、快く引き受けてくれたので、男の子に導かれるままに付いて行く。しかし行けども行けども目的地には辿り着かず、ついには町を離れて田舎道へ出てしまった。サラリーマンの男はついに音を上げて男の子に言う。「ごっつ 遠いね」

感想:曲が終わりになるにしたがって徐々に静かになっていき、最後のフレーズで野菜の名前をつぶやいていく。Gourds(ひょうたん)とつぶやいてから、ちょっと間があって最後に小声でパイナップルを言って曲が終わります。「ごっつ」から「遠いね」までの間がヘトヘトになって息が上がっている男の人の様子とマッチして素晴らしい作品だと思いました。案内してくれた男の子は全く息が上がっておらず、強靭な足腰をしているのも良いです。


フィリッパ・ジョルダーノ(Filippa Giordane)/ 清らかな女神(Casta Diva)

(空耳)あのイボ痔 あのイボ痔 ああああああ

(対応する歌詞)A noi volgi A noi volgi, Ah

空耳映像:若者とお婆さんが混雑したバスに乗っている。若者はヘッドホンで音楽を聴きながら座っており、お婆さんは痔の薬が入ったバックを抱えて隣に立っている。ふと、若者が隣にいるお婆さんに気づき、立ち上がってお婆さんに座席を勧める。お婆さんは「あの(私)イボ痔(なので座れません)」と言うのだが、若者はヘッドホンをしていて聞こえない。若者は善意のつもりで笑顔でお婆さんの肩を持って座席に座らせる。お婆さんはお尻が椅子に当たった途端に「ああああああ」と高らかに悲鳴をあげて、手で虚空を掴む。

感想:イボ痔を高らかに歌い上げているだけでも爆笑なのに、ちゃんとオチがついているのが最高です。最後のお婆さんのせつない表情が美しく伸びやかな声と相まって心に残りました。イタリア語の意味は、”私たちの方を向いて下さい”、だそうです。もはや頭の中にはイボ痔しか残りませんでした。


バレンシア(Valentia)/ガイア(Gaia)

(空耳)静かな大安です

(対応する歌詞)She is going to die unless

空耳映像:昔ながらの一軒家の中が写る。柱には懐かしの日めくりカレンダーがかかっており、その日が大安であることがわかる。居間のこたつにはお爺さんが一人座っており、お茶をすすりながら庭木を眺めている。如何にも静かな一日といった趣の中、曲の終わりに「静かな大安です」と空耳が入って映像が終わる。

感想:深刻さゼロの平和な一日と壮大な音楽があっています。


ジェームスブラウン(James Brown) / Introduction It's A New Day (So Let A Man Come In And Do The Popcorn)

(空耳)棚からウィンナー 棚からウィンナー 金 イエー! 棚からウィンナー ウィンナー ウィンナー ウィンナー あ~!!

(対応する歌詞)Got to get a witness, Got to get a witness, got to aaaaa, got to get a witness, a witness, a witness, a witness, Ah!

空耳映像:お腹をすかせた空耳俳優の有田さんが食べ物を探して冷蔵庫を開けるが、食べ物が何にもない。力尽きて床にへたり込むと、ふと頭上の棚が気になる。そこで椅子を足場に棚を探っていると、棚からむき出しのウィンナーが出てきた。もう一度探ると、またウィンナーが。続いて千円札が出てきて、思わずガッツポーズ。さらにウィンナー3本とウィンナーコーヒーが出てきたところで、足を滑らせて椅子から悲鳴を上げて落ちる。

感想:棚からウィンナーが出てくるって、どんな家だと思いますが、そのシュールな発想が秀逸です。テンションが高く、畳みかけるようにウィンナーが次々と出てくるのが面白いです。途中で千円札を手に入れたので万事解決のような気がしますが、そこからウィンナーを3本とウィンナーコーヒーを取り出すのですが、棚を総ざらいせずにはいられなかったのでしょうか。ジェームスブラウンは「りんごジュース、めっちゃ酸っぱ」もそうですが、長尺になるので好きです。


Wu-tang Clan/ウータン第7の習練
(空耳)よ よ 嫁! ホラホラ 嫁! フマキラー付いてるよ
(対応する歌詞)Yo Yo Yo Man hold it hold it yo men whom I killing tape at guy

空耳映像:病床にお爺さんが横たわり、昏睡状態らしく目を閉じている。枕元には医者と息子夫婦と思しき男女が座っており、お爺さんを心配そうに見守っている。突然、お爺さんがかっと目を見開いて嫁を指さし、「嫁、ほらほら 嫁フマキラーついてるよ」と枕元の嫁に告げて事切れる。みると嫁の肩には殺虫剤フマキラーの缶がついている。

感想:昏睡状態から覚めて、かっと目を見開いて台詞を言って事切れるシーンはインパクト抜群でした。なんで嫁はフマキラーの缶を肩につけてんだよ、とか、なんで爺さんの最後の言葉がフマキラーだよ、とかツッコミどころ満載なのが面白かったです。

マイケルジャクソン(Michael Jackson)/ スムースクリミナル(Smooth Criminal)
(空耳)パン 茶 宿直
(対応する歌詞)Woo! Cha! Chuku Chuku!

空耳映像:換気扇のアップから視線が下に移動し、アンパンのような丸いパンが3つ載った皿が写る。続いて丸いお盆に載ったヤカンと湯飲みが写り、誰かがヤカンからお茶を湯飲みに注ぐ。画面が引いて、事務室のような部屋でおじさんがお茶を飲みながらパンをかじり、テレビを見ている。どうやら現在、宿直のようだ。

感想:シンプルイズベストです。まさか曲の冒頭の叫び声に空耳を当てられるとは驚きでした。マイケルジャクソンのテンションの高さと、宿直のおじさんの落ち着きぶりが好対照で笑えました。Smooth Criminalは他にも、「朝からちょっと運動 表参道 赤信号」と「柴又から堤防 イカ寿司 朝寝坊」の2作品が印象に残っています。滑舌よく早口でまくしたてるので日本語感が増すのかもしれません。特に「柴又から堤防」の所は秀逸です。

TLC / Whispering Playa (Interlude)
(空耳)おっさん、おっさん おっさんか? おっさん えー自分だと思う
(対応する歌詞)What's up? What's up? What's up girl? What's up? Crazy for another one

空耳映像:ネクタイを緩めて赤ら顔のおっさんが千鳥足で上機嫌。周囲のサラリーマンを捕まえては、おっさん、おっさんか?と絡んでいる。それを傍らで見ていた女子高生2人が「えー自分だと思う」と冷静に突っ込む。

感想:これは何回聞いても、日本語にしか聞こえません。最初の「おっさん」の前にYo Yo Yo Yo Yo~!とテンションの高い合いの手?が入るのですが、それがイイ感じに上機嫌な酔っ払いの雰囲気を出しています。

なんと、その20秒後には、もう一つのジャンパー作品が登場します。

(空耳)何点?満点。一応、13点
(対応する歌詞)I'm there. Burn it down chil do you hear something?

空耳映像:小学生が帰りがけに返ってきたテスト結果を眺めている。その子は80点だったようだ。他の子はどうだったか聞くために、先を歩いていた2人の男の子を呼び止め、何点?と聞く。一人は満点と答え、もう一人は一応13点と答える。

感想:わずか2分足らずの曲で、これだけのハイクオリティな作品を2つ出すのは奇跡です。
英語のネイティブが口の中でもごもごと喋っても日本語感が増しますね。

2024年9月24日火曜日

徒然草・第百十五段に出てくる、ぼろ塚?(大阪府茨木市、宿河原)

阪大吹田キャンパスから国道171号線(通称:イナイチ)に出て、道路の南側を茨木市の方向に歩いていると、不二家と交番を越えた辺りに「ぼろ塚」なる塚に遭遇します。

国道には下の写真のような小さな案内板が出ています。この案内板に従って、川沿いの板金工場の側道を70メートルくらい行くと二枚目の写真のような小さな石の塚と茨木市が出した解説板?が見えてきます。何とこの塚、吉田兼好の徒然草・第百十五段に出てくる、2人のぼろ(虚無僧のこと?)が果し合いをした跡に建てられたのだそうです。第百十五段の内容は、次の通りです。(原文は下にあります)

『いろをし、という名前の虚無僧が、その昔に、しら梵字(しらぼじ)という名の虚無僧の御師匠を東国で殺したので、しら梵字が師匠の仇を打つために宿河原でいろをしを探し当てる。いろをしはその仇討ちに応じて河原にて二人で戦い、共倒れに終わる。その話を兼好が聞きつけて、二人ともに命を投げ出すさまが潔いと聞いたままに書き留めた。』

教科書にも載るような歴史的作品の舞台がここなのかと感心していると、解説板の最後には「宿河原の場所は神奈川県川崎市との説もあります」という文字が。家に帰り、早速手持ちの岩波文庫、新訂徒然草(吉田兼好著、西尾実・安良岡康作校注)をみると、確かに宿河原の注釈に現在の神奈川県川崎市と書かれていました。だとすると、この塚は一体何なのでしょうか?後世、このようなことで困らぬように、吉田兼好には「武蔵の国の宿河原」とか「摂津の国の宿河原」のように、もう少し詳しく書いておいて欲しかったです。




第百十五段

宿河原といふ所にて、ぼろぼろ多く集まりて、九品の念仏を申しけるに、外より入り来たるぼろぼろの、「もし、この御中に、いろをし房と申すぼろやおはします」と尋ねければ、その中より、「いろをし、こゝに候。かくのたまふは、誰そ」と答ふれば、「しら梵字と申す者なり。己れが師、なにがしと申しし人、東国にて、いろをしと申すぼろに殺されけりと承りしかば、その人に逢ひ奉りて、恨み申さばやと思ひて、尋ね申すなり」と言ふ。いろをし、「ゆゝしくも尋ねおはしたり。さる事侍りき。こゝにて対面し奉らば、道場を汚し侍るべし。前の河原へ参りあはん。あなかしこ、わきざしたち、いづ方をもみつぎ給ふな。あまたのわづらひにならば、仏事の妨さまたげに侍るべし」と言ひ定めて、二人、河原へ出いであひて、心行くばかりに貫き合ひて、共に死ににけり。

ぼろぼろといふもの、昔はなかりけるにや。近き世に、ぼろんじ・梵字・漢字など云ひける者、その始めなりけるとかや。世を捨てたるに似て我が執深く、仏道を願ふに似て闘諍を事とす。放逸・無慙の有様なれども、死を軽くして、少しもなづまざるかたのいさぎよく覚えて、人の語りしまゝに書き付け侍るなり。

「断崖」(松本清張著、双葉文庫)を読んで(清張大好き!)

双葉文庫 松本清張初文庫化作品集2巻、「断崖」を久しぶりに読み返してみました。この本には、表題作の他に、濁った陽、よごれた虹、粗い網版、骨折の4編が収められています。2ページで終わる骨折は別にして、濁った陽、よごれた虹、粗い網版は、社会派推理作家の肩書にふさわしい組織に潜む悪や闇を扱っております。

これに対して表題の「断崖」は異色な短編です。この作品は、誠実で知られていた老人が、若くて美しい娘さんの乱れた姿についムラムラしてしまい、娘さんが熟睡している間にコッソリいけないことをしてしまった話です。その後、自責の念と周囲の好奇の目に耐えられなくなり、ついに老人は自死してしまいます。自殺の名所で自殺者を食い止めるための仕事をしているのに、最後は自分が海の藻屑と消えるという何とも切ない話です

昨今では、警察の御厄介になったり、周囲に酷いことをしたような人たちでも「鋼のメンタル」とやらで何事もなかったようにするのが横行している中で読むと、悪いことは悪いのですが、こうした小市民的な振る舞いが心にしみます。松本清張のこういう短編もすごく好きです。


《あらすじ、ネタバレ注意》

北海道のR町にあるエシキ岬は国定公園の一角にあり、海食崖と岩礁の発達が著しく、80メートルの断崖が続いている。その岬の根元の入江には町営の宿泊センターがあり、そこには二人の管理人、62歳の谷口彦太郎と60歳の向井万吉がいた。二人は共に町役場の元職員で、現在は町の嘱託である。温厚な谷口に対して向井は陰気な性格で、お互い険悪な関係だった。二人の任務は宿泊客の応対と共に、岬に自死をするためにやってきた自殺志願者の監視であった。昼間は二人一緒に勤務し、夜は交代で一人残り、時折訪れる客の応対をした。

ある晩秋の夜、谷口が当直の時に、歳の頃22、3歳の美女がずぶ濡れで訪れる。彼女は自殺しようとして死にきれず、宿泊センターに助けを求めてやってきたのだ。谷口は疲労困憊する女を介抱し、食事を与えて床に就かせる。しかしその最中も女性の艶やかな姿態が目に付いて落ち着かない。女性を部屋に寝かしつけて、自分は別室で休もうとするのだが気持ちが昂ってしまいどうしても眠ることができない。ついに夜半過ぎに女性の部屋に忍び込み、昏倒するように眠る女性を相手に思いを遂げる。女性は何をされたのか気づかないまま、次の日体調を回復して帰って行った。その後、一週間して女性から礼状が届いた。

しばらくして谷口が女性と関係を持ったのではないかという噂が立った。向井が吹聴したのだ。その噂が広まるにつれて周囲の人たちの谷口を見る目が変わってきた。これまで柔和で親しみやすいと思われてきただけに、人々は落胆し谷口を気味悪がった。噂は町役場にも届いたが、証拠がある訳では無いので周囲はそれ以上は踏み込んでこなかった。その遠巻きに見られている感じが逆に谷口を苦しめた。

冬の間にセンターは閉鎖されているが、その間も周囲の人達の視線は変わらなかった。谷口はみるみる憔悴して痩せていった。

やがて春が近づき、再び女性から手紙が届く。そこには良縁に恵まれて結婚すること、自分が立ち直る契機になったエシキ岬を今度は夫婦で訪れたいと書かれていた。夫婦が訪れると予告した三日前、谷口はバスの乗客が一人帰りが遅いので探してくると言って、センターを出たまま戻らなかった。次の日、海中を覗くグラスボートの客が藻のそよぐ草原を漂う谷口を発見した。

2024年9月23日月曜日

見た夢の記録 現世は夢、夜の夢こそまこと

大学1回生の教養科目の授業で、精神分析学入門、というのがありました。フロイトやユングの夢分析についてわかりやすく解説してくれる授業でした。折しも河合隼雄先生の「とりかえばや男と女」などのユング心理学に関する本が流行していたので、興味を持って受講しておりました。当時は授業に感化されて、厚紙のケースに入ったフロイトの精神分析入門などを買って、本棚に仕舞っておりました。残念ながら難しくて読了できませんでしたが…。あの本はどこにいったのだろうか?

最近、立て続けに就寝中に夢を見ました。平日は仕事でヘトヘトなので夢どころの話ではないのですが、連休でのんびりして二度寝などもしているので起きても覚えているような夢をみたのかもしれません。そんな夢の記録です。

22日、小学生のころから大学院生になるまで可愛がっていた愛犬が夢に出てきて、一緒に遊びました。もう20年以上前に亡くなってしまった犬なのですが、折に触れて夢に出てきてくれます。いつまでも一人前になれないのを心配して時々見に来てくれていると勝手に解釈しております。

23日、遠方に出張して、ホテルをチェックアウトするのを忘れてルームキーを持ったまま電車に乗ってしまい、途中で気づいて慌てる夢をみました。いかにも現実に起こりそうで、目覚めたあと嫌な感覚が残りました。現在、複数の原稿の締め切りに追われているので、それを反映したような夢であるように思います。

2024年9月22日日曜日

「ポケットにライ麦を」(アガサ・クリスティー著、山本やよい訳、早川書房)を読んで

 出張中の移動時間で「ポケットにライ麦を」を読みました。アガサ・クリスティー作品を読んだのは久しぶりで、中でもミス・マープルが活躍する作品は初めてでした。本の裏表紙に、マザー・グースの童謡「6ペンスの歌(Sing a song of six pence)」に材を取った連続見立て殺人、とあったので、「そして誰もいなくなった」のような作品をイメージしていました。しかし「ポケットにライ麦を」は、大分印象が違いました。ただの素人が知ったような事を言うようですが、トリックや見立て殺人の無理やり感?がなく、ストーリーがすっと頭に入ってきて読みやすくて面白かったです。



タモリ俱楽部・第22回 空耳アワード2019(後編)を振り返る

2019年11月9日に放送された、タモリ俱楽部・第22回 空耳アワード2019後編のまとめです。前回に引き続き、司会はグローバーさん、審査員は安齋肇さん、タモリさんに加えて、ゲストのハマオカモトさん、尾上右近さん、天海祐希さんです。


USロック部門①

Feel invincible / Skillet

なぜか冷めてない

Nothing could stop me tonight

Sleeping / The Band

なぜ鳴らさん?

Now there's not a sound

The silence / Halestorm

早よせぇ!お茶ーっ!!

Everything will change

ロザンナ・TOTO

どこにいる?信州上田へ、野沢菜はイヤ!

Not quite a year since she went away, Rosanna yeah


USロック部門②

オーファン・TOTO

野間だ、ノーパンだ、脳死した、えっ!?ノーブラだ

No mother, no father, no sister and no brother

Follow My Heart / REO Speedwagon

夕方にAD怒らせた

You've got the lead baby I've got a start

Kol Shetzarikh Ze Dam/ Beatallica

あんたらの腰触りてぇな腰触りてぇな腰触りてぇな なぁ?

Ata nadosh! Kol shetzarikh ze dam Kol shetzarikh ze dam Kol shetzarikh ze dam! Dam! ヘブライ語

Take on me / Weezer

オムツせいや

I'm to say, I' 

Kindergarten / Face no more

兄ちゃん卵 なんで投げた?

Return to my own vomit like a dog(大賞獲得!特製空耳壁紙獲得)


空耳 働き方改革①(ハウフルス会議室作品)

会社の会議室を模様替えすることで、スタジオを借りる手間とお金を節約する。

What are they gonna say now / Ashanti

わて合成なんかい?はぁ?わて合成なん!?

What they gonna say now gotti? Huh? What they gonna say now?

Empire of the Damned / Sepultura

デブに援助 ステーキにメロン 誰?忘れた 食いたい あっ うわー

The extreminating angels here there's to be emperor to command nospheratus creature of crypts

In this moment / Turn you

あ、分からないんだ先生 そうなんです こういう一揆はない

I'm not gonna make this easy. You thought I'd be screaming your name


空耳 働き方改革②(AD内山監督作品)

下の二つの作品は共にTシャツ獲得!

Psycho killer / Talking Heads

もう一度言えるか?

Why say it again?

Storm in a teacup / Red Hot Chili Peppers

タンバリンが倒れたー

Somebody get down here now


EUロック部門

Dogs on leads / Accept

終わったな!

Once cut off

Spectre / Judas Priest

イナリが出そう

In a league of his own

Eye in the sky / The Alan Parsons Project

童貞 ソリ 地蔵

Don't think sorry's easily

The clash / London calling 

あ、そういうノリなん?

I saw you nodding out


ポップス部門

砂に書いたラブレター(Love letters in the sand)/ Pat Boone

名前冒険派です

Now my broken heart aches

愛は永遠に/ Carpenters

童貞捨てるシーンは怖い

Don't they still seem worthwhile

この素晴らしき世界 (What a Wonderful World) /Louis Armstrong

あ、返品ですかい

I hear babies crying


2024年9月21日土曜日

タモリ俱楽部・第22回 空耳アワード2019(前編)を振り返る

2019年11月2日に放送された、タモリ俱楽部・第22回 空耳アワード2019前編のまとめです。司会はグローバーさん、審査員は安齋肇さん、タモリさんに加えて、ゲストのハマオカモトさん、尾上右近さん、天海祐希さんです。後編の模様はこちらです。


メタル部門

腐食性物質/ナパームデス

レインコート みんな黄色

Staying on an even keel

無敵のスラッシュ野郎ども / Municipal Waste

カツをどんどん食わす

Can't deal with all the pressure

Above the winter moonlight / Dragonforce

二度漬け あかんかね?

Rivers of pain are guiding me

Morbid visions / Sepultura

桐島行け!前へ!叫べ!脇臭っ!死んだ!どうして!?

Crucified killed buried sacrificed fuckin' Messiah stepped down blood stained 

Satanic Lust / Sarcofago

絶対に 嫌ぁーっ!

Satanic lust

Rapture / Morbid Angel

穴掘りは 罰として 1人でやる!

Unholy ones bastard saints scorn of the earth


ディーヴァ部門

No rights No wrongs / Jess Glynne

たまには 肉を出せ

How many prayers lead to a blessing?

Ilomilo / Billie Eilish

父ちゃんがつわり

Told you not to worry

Peace of Mind / Kehlani

違う それはフン

Do you get it? So I think

いろんな事が起る / Bridget Fontenot

さっきのでいい

Ce qu'il dit

十字架 / Edith Piaf

字幕はどうなってた?

J'ai ma croix dans la tête


特別企画 天海祐希と尾上右近の新作投稿作品

Guilty of being white / Slayer(尾上さんの作品)

あー遅い!

I'm sorry(手ぬぐい)

 Easy lover / Philip Bailey & Phil Collins(天海さんの作品)

至難のワザ

She's like no other(手ぬぐい)


ソウル・R&B部門

涙の口づけ / The Manhattans

アゴの密集 アゴの密集

I'm gonna miss you

Right Moves (feat. Keida & Shenseea) / Christina Aguilera

どんどん粘り気が出たらいいんやで

Ya dun kno nobody can test, you're da

Hurry gully / The Olympics

カレー裸で ママ裸で パパ裸で 日々裸です

Hully, Hully Gully, Momma hully gully, Poppa hully gully, Baby hully gully too

Cause I love you / Lenny Williams

そうめんにナッツを入れんな

Some men need lots of women


ヒップホップ部門

Robbin' Hood Theory / Gang Starr

むしろ気になるね

What's your opinion on that?

Shotta Boys feat. STIX / Wyclef Jean

アリは2位ね

Hollywood need me

Mob ties / Drake

すぐに脱ぐ すぐに脱ぐ

Sick of these niggas, sick of these niggas

涙のブラザー / Wu-tang clan

お茶 お茶がうめー!! おい母ちゃん!おい母ちゃんメロンだ!うぉー!!メロン!メロン美味しい!!

Watch out, watch out, move back, don't touch him, don't touch him, man don't touch aaaahhh no no oh shit


ワールド部門

Danza Kuduro / Don Omar feat. Lucenzo

先生 来るよー!

Danza Kuduro

'Ahulili / Gabby Pahinui

貝に目がない

Ka `i`ini me ka `ano`i  *ハワイ語

バイラ・ミ・リトモ・イラケレ

カミナリ来ねぇな、まだルワンダ!?

Camina rico nena muevelo anda

Rude boy train / Desmond Dekker

下駄あんま好きちゃう

Get up a circuit chart

Ella Me Levantó / Daddy Yankee

笑わせろよ?

Ahora vacilo yo

2024年9月19日木曜日

君よ 勝田の風になれ(第72回 勝田全国マラソン)

家のポストに、来年の1月26日に行われる勝田全国マラソンのランナー募集の案内が届いておりました。勝田全国マラソンは、私の故郷、茨城県ひたちなか市で毎年1月下旬に催されるマラソン大会で、次で72回目とのことです。たしか全国のマラソン大会の中で二番目に古い大会だと聞いたことがあります。私は10キロの部に毎回エントリーしており、次回も10キロの部に挑戦する予定です。新型コロナウイルス感染症の影響で中止していた時期を除いて、トータルで十年くらいは出ていると思います。

我がひたちなか市は、冬の勝田全国マラソンと夏のロッキンジャパンが二大イベントでした。夏のロッキンジャパンが千葉に行ってしまいガッカリしていたのですが、今年はひたちなか市でやっていただけて良かったです。田舎なので、大きなイベントがあると地元のお店が潤うのでずっと続けてほしいです。


2025/1/12追記

ゼッケンや足に着けるICタグの一式が送られてきまして、その中に入っていた今年の長袖シャツのデザインは下の写真のような感じでした。これを着て走ろうと思うのですがインナーで着てしまうと、ロゴが見えないですね。う~ん、どうしよう。


2024年9月18日水曜日

山田五郎さんのYouTube「オトナの教養講座」が面白かった

最近は原稿の締め切りを幾つか抱えているため、一日専らデスクワークです。原稿を書いているときは何か音があった方が筆が進む気がしているので、YouTubeでBGMを聞きながらやっております。少し前までのBGMは三代目・古今亭志ん朝の落語だったのですが、最近は山田五郎さんの「オトナの教養講座」に嵌っています。

私はええかっこしいなので、折に触れて美術館に行ったりしておりましたが、肝心の美術史は全く無知でした。この動画では軽妙なトークで作品の背景や魅力をわかりやすく紹介してくれています。私のような知ったかぶりには目から鱗の知識でいっぱいです。レオナルドダヴィンチは凝り性で〆切を守れなかったから残っている作品数が少ないとか、セザンヌは写実的に描けないから(下手だから)現在絵画の父と呼ばれるようになった、などの説明はすごくおもしろかったです。

あと、山田さんの親友のみうらじゅんさんが時折り登場して仏像トークを繰り広げている動画もあるのですが、これもとても好きです。以前、CSのMondoTVで放送されていた「みうらじゅんと山田五郎の男同士」や続編の「親爺同士」(だったかな?)を見ていて、息の合ったトークを毎回楽しみにしていた者としては、美術の話題で再びお二人のトークが聞けて良かったです。


追記:24年の10月5日に御病気のことを話されていて、とてもショックでした。治療を続けながらも動画は今後も更新されるとのことですので、無理のない範囲で続けてほしいと一視聴者として願っております。少しでも快方に向かわれることを祈っております。